どんなあなたでも 〜side:プリシラ〜


 キース様は自分の価値を自覚していないようですね。前世の他人の知識だろうと、今世ではキース様のものです。知識を持ってると言っても、それを他人に言うかは別問題。その知識で助かる可能性もあるのです。前世の記憶があったから、キース様は自分を鍛えて、体術や魔法を習得し、スリアルを助けることができたのです。スリアルを助けたことで、竜族たちがこの国に住み始め、龍脈を操作し、希少な薬草も生えてくるようになったとお父様が言っておりました。キース様の何気ない行動で多くの命が巡り巡って救われていくのです。キース様もそれはわかっているはずですが、自分が救ったとは思っていません。


 本当に、キース様はご自分のことには無頓着なんですから、私ができるだけ気づかせられるように努力をしましょう。何度でも、あなたの価値を説明します。

 

 でも、たとえ、前世の記憶がなくても、強い人ではなくても、今までの功績がなくても。私は、キース様のことを好きな気持ちは変わりませんが。

 

 キース様がキース様であること。それが、私のキース様の好きなところですから。

 

 どんなことがあろうと、私はキース様の味方でいます。世界を敵に回してでも。私はあなたに一生ついていきます。人生を捧げます。あなたのそばにいることが、私の幸せですからね。

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