第8話 パパ活の実態

 部屋に訪れたのは男が三人だった。40代から50代の、いわゆるエグゼクティブと言った風体で、高級なスーツを着込んでいた。


「ナナエちゃん、お久しぶり」

「一週間ぶりかな。そんなにお久しぶりじゃありませんよ」

「その一週間が長いのさ。今日は僕の友達が二人いるけど、いいよね」

「もうパパったら。私が他の人に抱かれても平気なんですか?」

「いや、物凄く嫉妬するよ。それがまた興奮するんだ」


 アザミはナナエと名乗っていた。悪魔は本名を名乗らない……その通りじゃないか。そしてパパと呼ばれた男は、一番年上で禿げ頭で、腹は出ているが大柄で筋肉質で、体力がありそうでいかにも絶倫といった雰囲気を漂わせていた。他の男、髭面と色黒な男も中年でボディビルダーのような体格をしていた。話し方は体育会系の先輩後輩といった感じだった。


「今日はよろしくね、ナナエちゃん」

「凄い美女。いいんですか? 先輩の彼女じゃないんですか?」

「残念ながら単なるセックスフレンドなんだよ。彼女は3Pや4Pの多人数プレイが大好きでね。僕たちがいっぱい気持ち良くしてあげたら大喜びなんだ。ね、ナナエちゃん」

「もう恥ずかしい。お寿司、届いてますよ」


 三人の男が寿司をつまむのだが、半分も食べないうちに行為を始めてしまった。


「ねえ、シャワーは?」

「ナナエちゃんが綺麗すぎて我慢できないよ」

「もう、若くないんだから焦らないでよ」

「ダメダメ。七ちゃん相手だと20歳くらい若返っちゃう。ほらこれ」


 禿げ頭がアザミの右手を取って自分の股間へと導いていく。アザミは嫌な顔もせず、そこにそっと触れながら禿げ頭の胸に頬を寄せた。


「パパ凄いね。固い」

「先輩。ね、ナナエちゃん。俺のも」


 髭面がアザミ左手を取って自分の股間へと導く。


「俺も混ぜてくれ」


 今度は色黒がアザミを背後から抱きしめ、彼女の尻に自分の腰を押し付けた。


「はあ、イイ尻してるぜ。先輩、早くやりましょうよ。俺、我慢できねえ」

「焦るな焦るな。先ずは俺が一発やるからお前らは見学だ」

「うわ。お預けですか?」

「そういうプレイだ。さあナナエちゃん。寝室に行こうね」


 禿げ頭はその場で全裸になった。衣類はダイニングの椅子に放り投げている。そして禿げ頭は彼女の肩を抱き寝室へと向かう。そしてベッドの脇でアザミとディープキスをかわした。


「ほんと、我慢できないんだよ。もうしちゃうね」

「せっかちね」

「君のお尻が魅力的すぎるからさ。この柔らかい曲線は罪深いんだよ」


 アザミのミニスカートの上から顔を押し付ける。そして禿げ頭はアザミをベッドにうつ伏せに押し倒してから下着を脱がせた。


「ああん、パパ、ちょっと待って。準備がまだなの」

「準備不足の感じがいいんだよ。ちょっと我慢してくれ」


 アザミをうつ伏せにして組み敷き、彼女に覆いかぶさった。そして激しく腰を使った。


 禿げ頭の次は三人同時にアザミを犯し始めた。その後は一人ずつ、体位を変えてアザミを組み敷いていた。


 代わる代わる侵されていく彼女を見つめながら、僕は信じられないくらいに興奮していた。今すぐしごきまくりたいのだが、僕の両手はアザミの手で後ろ手に拘束されている。


 監視カメラ映像なので映っている人物は小さい。それでも寝室で何が起きているのかはしっかりとわかるし、彼等の声も十分に聞こえる。好き放題に快楽を貪っているのがよくわかった。


 僕はそんな激しい性行為を見せつけられて極度の興奮状態に陥っていた。その時、モニターの中で信じられない事が起こった。


 アザミの体から黒い霧のようなものが噴き出して、三人の男を包んでいく。それはロープのように細長くなって男をそれぞれ拘束し、空中へ持ち上げて行った。まるで黒い霧の触手だ。その触手はぼんやりとした人型の霧から伸びていた。それは尻尾が何本も枝分かれしているようだった。


 三人の男はその黒い触手に全身を愛撫され、白目をむきながら何度も達していた。その瞬間に迸る赤黒いオーラを触手の本体である黒い影が吸い取っていた。今ははっきりとした形になっていないのだが、あの黒い影は先日目撃した悪魔だと直感した。


 空中で触手に拘束され、白目をむいて快楽に浸っている三人の男を横目で見ながら、アザミは僕のいる書斎へと入って来た。


「清史郎。お待たせ。もうはち切れそうね」


 全裸になっていたアザミは僕の前に座って股間の匂いを嗅ぎながらジーンズのファスナーを降ろした。そして彼女は僕の顔に胸を押し付けながら跨って来た。


「ああ。清史郎の熱い想いが伝わって来る……気持ちいい」

「僕も気持ちいい。わけわかんない位だ」

「はあああん」


 僕は座ったままアザミに揉みくちゃにされた。お互い何回達したのかわからないくらいに快感を貪った。そしてその、強烈な快楽に僕の意識は飛んでしまったようだ。

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