第7話

燈狐のしっぽが二つに分かれた。

どうやら、先程の畏霊の核を食した事で進化したらしい。


「新しく進化、したみたいですね…名前は『燈幻狐とうげんきつね』と言うらしいです」


長狭仁衛がそう説明した末に、携帯端末を確認する。

配信されている自身のチャンネルのコメント欄の内容を確認する。

ゆっくりと流れていくコメントに目を移す。


・可愛い

・これが畏霊ですか

・水百足倒したっ!

・可愛い


内容を確認した後に頷く。

どうやら、好意的な内容が多かった。

コメントを読もうと長狭仁衛は思った。


「えぇっと…『可愛い』そうですね、畏霊にしては、可愛いと思います、いや、今は式神なんですけどね」


コメントの中で目に入ったのを読み上げる事にする。


・雑談ですか?

・初見です

・畏霊をもう倒したんだ

・何か能力とか増えたの?


「初見さん、来てくださってありがとう御座います…ん?」


コメントを読んだ後に、長狭仁衛は考える。


「(何か、能力とか増えた…か、情報の開示は絶対だし…教えようか)」


考えた末に、長狭仁衛は喋り出した。


「えぇと、『燈幻狐』は、『発火息吹』と言う能力があったんですけど、進化した事で『幻影灯籠げんえいとうろう』と言う能力が発現してます…内容は『実体化に近しい分身を作り出せる』らしいですね」


長狭仁衛は、再びコメントに視線を戻す。


・強そう

・実体化に近しいってどんな感じ?

・分身能力!


そうして、長狭仁衛は少しコメントと会話をする事にした。

実体化に近しい分身を、長狭仁衛は想像で答える事にした。


「そうですね、物理的に触れないけど、実体と変わらない見た目である、と言った感じだと思います」


適当に、長狭仁衛は目に入ったコメントを読み上げる。

読み上げた後に、長狭仁衛はそのコメントに対する回答をする。

そうして、それを何度も繰り返した。

ある程度、時間が経過した所で、長狭仁衛は配信時間を確認する。


「…あー」


終了しても大丈夫そうな時間だった。

長狭仁衛は式神である『燈幻狐』を解すると、カメラに向けて手を振った。


「それでは、時間も良い所で、今日の配信はこれで終了とします、チャンネル登録、または高評価、宜しくお願いします。じゃあ…良い夜を」


長狭仁衛は最後にそう言うと、配信を終了する。

終了のボタンを押して、配信を終了した。

配信が終わった事で、長狭仁衛は一息吐いた。

最後に、長狭仁衛は終了後の自身のチャンネルを確認した。


登録者数430名。

前回の登録者数は400名程だったので、この配信で30名は登録してくれた。

最大視聴数は130名程だったが、個人配信にしては、上場な上がり方だった。

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美少女配信者たちから支えられて行われる魔物育成配信、あらゆる魔物を調伏出来る主人公は、美少女配信者から愛される 三流木青二斎無一門 @itisyou

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