応援コメント

青の記憶『子供』」への応援コメント

  •  初めまして、アールサートゥと申します。
     「綺麗で輝く感想を描く人だ。どんな物語を書いているのだろう」と気になり、唯野木めい様の作品に足を運ばせていただきました。

     心に切なさが満ちていきます。
     15歳ならば私のひい祖母に「さようなら」を告げた歳と同じです。
     アリシエルは大切な友達に先立たれ、その遺体にすら別れを告げられなかったのですね。いなくなったと知っても、ぬくもりを忘れられない。声も姿も、忘れられない。人って別れた人の『声』から忘れていくと言われています。それを覚えているなんて、どれだけ大きな存在だったのか。
     読みながら視界潤むのを抑えられませんでした。私は、もう忘れた声が沢山あります。でも忘れてない声を、今一度思い出しました。

     アリシエルが“シエル”という少年になったのは、か弱く守られる王女では何も守れないと知ったから。あるいは、次こそは大切なものを守れるようになるため。自分自身の足で立って、戦って、誰かを置いて行かないため……。最後のは私の願望が混じっていますが。

     傷を負ったから強くあろうとする。でも『強くなった』と『強くあろうとする』は少し違います。心も体も、傷を乗り越えて初めて強くなります。『強くあろうとする』のは、傷がないか傷を抱えたままだから。
     シエルは、乗り越えられるでしょうか。
     きっと大丈夫ですね。なんせアドラさんとズィーさんの二人がいますし、月部屋という場所があるのですから。

     一つ気になるのは、ノーランディア王国ではどんな使用人も雪の結晶の装飾品をつけるのかです。
     第一話の『脱獄』でメイドが雪の結晶の髪飾りを着けていましたが、王族から貴族、騎士はともかく、ただのメイドが身に着けるのは少し不思議。地上にいるのだからそれなりの地位はあるでしょうが、そういった紋章は普通使用人は着けないと思うのです。そう、カーネリアンのような血筋に恵まれた人でもないと。
     ただの妄想ですが、あのメイドがカーネリアンの親族なのでは? と思っていました。そういう繋がりなら、国の象徴も着けるでしょうし、脱走にも協力してくれるでしょうから。

     友達との約束は半分までしか果たされませんでしたが、シエルは『強がり』を『強さ』に変えられるのか。
     これからのストーリーと人の輝きを目に焼き付けたいと思います

    作者からの返信

    アールサートゥ様

    こちらこそ、初めまして!ただのぎです。(唯野木めいと書いてただのぎめいと読みます。変換で一発で出てこないと思うので、ただのぎでもめいでもお好きなようにお呼び下さい。ただの偽名ですので)

    心のこもったコメントありがとうございます。とても嬉しいです!

    『綺麗で輝く感想を描く人だ』
    →最高の褒め言葉です!ありがとうございます。変な言い方ですが、なんだか報われた気分です。

    シエルの過去に寄り添ってくださってありがとうございます。これまた変な言い方になりますが、この話を書いた時、私はあまりシエルがどういう子なのか理解していませんでした(作者なのに)。大好きなお姉さんの死がきっかけに地下に来たって設定なら切ないよなーと朧げに考えていたところをシエルが語ってくれたのです。なので『別れた人の『声』から忘れていくと言われています。それを覚えているなんて、どれだけ大きな存在だったのか。』という感想は新鮮でしたし、腑に落ちました。

    また、シエルが誰かを守れるようになるために少年として生きることを選んだ、という解釈にも一理あると思いました。私の中でシエルがヴァイマリに来た理由は、単純に壮大な家出だったのです。半ば自棄。どうせ父親(国王)に使い潰されるなら、こんな城(牢獄)から逃げてカーネリアンとの思い出を辿る旅に出よう、父親を困らせてやろうみたいな反抗期のノリでした。でも、アールサートゥ様の解釈の方が美しいので、そちらを採用させていただきます。確かに、シエルは守れるものは守りたい子なのかも知れません。ここまでコメントのお返しをご覧になって余韻をぶち壊してしまったなら申し訳ありません。

    シエルは強い子です。これはキャラ任せで話を作る割にキャラへの読解が足りていない作者(私)でもはっきりと言えます!ネタバレになるので詳しくはお伝えできませんが、シエルは間違いなく太陽そのものな子です。色んなことに巻き込まれるけど、その分成長して、陽の光の届かない地下世界に光を与えます。もちろんその隣にはアドラとズィーがいるはずです!おっしゃる通り今は傷を抱えたままですが、シエルが誰かの傷を癒すようになるまでお付き合い頂ければ幸いです。(なにせ長い話ですので。第一部だけで10万字あります...)

    あ、雪の結晶の部分、分かり辛かったですよね。後々明かされることなのですが、基本的に地上に住む人はみんな貴族です。貴族といってもお金で爵位を買うような一代限りの成金貴族から、先祖代々屋敷や爵位を受け継ぐ地主貴族までいます。貴族にはみんな雪の結晶が配られるので、従者も雪の結晶をつけています。あと、お城でのシエルは嫌われないために従者にお金をあげて機嫌を取臆病な少女でした。(なぜ王族が舐められているのか、という理由は2部後半で明かされるはずです)。なので、この従者はお金のため動いた悪い人というイメージで書いたのですが、カーネリアンと親族というのは盲点でした。それはそれで納得のいく話だと思います。(悉くアールサートゥ様のご想像を裏切る内容ですみません。でも、こうしてシエルを考察して下さるの、読んでいてすごく楽しいです)

    長い物語ですが、ゆっくりで構いませんので時々覗いて下さると嬉しいです。

    編集済
  • 誤字報告……だと思います。

    >カーネリアンの誕生日からちょうど二週間後の日。

    >シエルの誕生日からちょうど二週間後の日。
    シエルが十六歳になると書いてあるのでシエルの誕生日かなぁと。

    地上はすでに奪われているのですね。地下も最下層がヴァイマリアードということはその上層は一般の人たちが住んでるってことなんですね。
    温暖化で人が住めなくなっている地上を取り合って戦う理由って何かあるのでしょうか?
    変な疑問が多くてすみません。

    作者からの返信

    みどりの様

    コメントありがとうございます。嬉しいです。

    あー、そこわかりにくかったですよね、すみません。カーネリアンはシエルの乳母子なので、カーネリアンがシエルより2週間前に生まれたっていう設定で書いていました。が、実際わかりにくいし、シエルの誕生日に変更してもよさそうです。

    はい。おっしゃる通り地上は帝国に奪われていて、上層に行けば行くほど裕福な人が住んでいます。

    温暖化と言っても、全ての地上が暑くて住めない訳ではありません。日本は暑すぎるけど元々寒すぎたロシアはむしろちょうどいい気温、みたいな感じです。人々はわずかに残された「まだ人が住める気温の土地」を巡って戦っています。地上に出たがる理由は、やっぱり人間の本能として日光を求めるのではないでしょうか?(イギリスの冬は日照時間が少なくて、日本人は病むことが多い、といいますし)

  • カーネリアンのエピソード、泣けますね。どうにかならなかったのかと……。幕間だけでひとつの物語が始まり、広がり、綺麗に完結していて。しかも本編を補完しているのが素晴らしいです。

    作者からの返信

    やなか様

    いつもコメントありがとうございます。嬉しいです!

    本編が今のところほのぼのしているので、幕間では少し切ない雰囲気を出してみました。カーネリアンの話は自分でも割と気に入っています(笑)。ヴァイマリの世界観が少しでも膨らんだのならよかったです!!

    幕間は全て主要キャラの過去編を予定しておりますので、これからも楽しんでいただけたら幸いです。

  • シエルが大切な友達を亡くしているのは知っていたのですが、それでも、切ないです。
    どうしようもなかったことは分かるのですが、それでも辛いです。
    (戦死したと思われていたけれど、実は生きていた、とかを期待してしまいそうです)
    シエルの心の傷が、これからのヴァイマリでの生活で癒やされていくことを願います。

    作者からの返信

    月ノ瀬さん

    いつもコメントありがとうございます! 嬉しいです。

    シエルはこの時15歳ですからね...。自分で書いといてなんですが、ちょっと可哀想です。子供を戦争に行かせるなんて色々この国終わっています。ですが、実は今のキャッチコピーの前は「切なさいちの群像劇」だったので、切ないと言っていただけて作者的には伝わってよかったのかもしれません。

    今のシエルにはアドラちゃんとズィーという二大お兄ちゃんがいますから、彼女も立ち直って(?)いくはずです。(でも、ただのぎの作品の女の子たちは支えられるだけじゃありません。多分、これからアドラちゃんやズィーを支えていくはずです)