第117話 出発
家に帰って来て3日後、出発の日
「それじゃあ、アンちゃん、ユキちゃん、ゼシアちゃん、フェリちゃん、カリンとマリもアークちゃんの事よろしくね?」
「はい、任せてください」
「しっかり見張っておきます」
「常に私達がそばに居るからね!」
「「お任せください、奥様」」
「ウォン!!」
え?何、俺ってそんなに心配されるの?解せぬ…
「アーク、今回の事はお前に負担を強いる事になったが、それとは別にこの国の代表という心づもりで行くのだぞ?頼んだ」
「はい、わかりました、父上、母上も行って参ります、エステル、行ってくるよ」
「いってらっしゃい!おにー様!」
家族に見送られて神聖国に向かって出発、馬車の旅で1週間以上は掛かるけどね、まぁのんびり行くとしよう
馬車の数は2台、俺、アン、有希、ゼシアの4人とカリン、マリ、フェリの2人と一匹の振り分けだ、それぞれはルグウィン家の御者が馬を扱っている、2人共よく知る者達だ
「えへへ!アークとユキとアンとでの旅行楽しみだね!」
「ゼシアちゃん?遊びに行くんじゃないんだよ?それにあの国では貴方の正体がバレない様にしないと」
「それは難しいのではないでしょうか?態々
、聖女様が我々を指名したのです、ゼシアさんの正体を知っていなければ指名する意図が読めません」
「確かにな…だけど一般市民達にまで知られているとは思わない、聖女に会うまでは学園と同じで正体は隠しておく様に、分かったか?ゼシア頼むぞ?問題は起こすなよ?」
「えーそれアークが言う〜?」
失礼な俺は望んで問題を起こした事なんか一度もない!問題の方からやって来るんだ!だから仕方なく解決に動いていたらいつの間にか中心になってるんだよ!
「それにしても神聖国に行くのは初めて…と言うか王国から出たこともないな」
「あら?そうなのですね、私は小さい頃に行った事があります、多少はわかるので街を案内しますね」
「あー!アン!何さりげなくデートにさそってるのさ!私も行く〜!!」
「ちょ、ちょっと!ゼシアちゃん!あんまり広くないんだから暴れないで!」
駄々を捏ねる子供の様にバタバタと動くゼシアを有希が叱る、まるで妹と姉だな、見た目は逆だが…
「ふふ、分かっていますよ、皆で行きましょう」
「いや、だから遊びに行くんじゃないぞ?そんな暇あるとは期待しない様に、全く…下手をすれば王国と神聖国の関係にひびを入れるかもしれないんだ、真面目に頼む」
「ブーブー!いいじゃん!婚約者にはもっと甘く接してよ!」
「ダメだ!ゼシアは甘やかすと調子に乗るだろうが!」
「まぁまぁ、お兄ちゃん落ち着いて、ゼシアちゃんは私が見てるから、ね?」
「私も気を配っておきますから、ご安心を」
「……2人がそう言うなら、たのんだぞ?」
「何さ!皆して!大事な場所ではちゃんとするもん!ユキだって知ってるでしょ!ムゥゥ!!!」
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