第115話 一時帰宅


スカーレットとの小競り合いから2週間が経ち

穏やかな学園生活を過ごしていると城から手紙が届いた


「束の間の平穏だったな…」


「あら、遂にですの?」


隣の席のマリィが覗いていた


「あぁ、聖女との会談の日と神聖国へ向かう日程が決定した、今日から4日後に出発だな、俺は今日から家に帰って準備だ」


「すいません、お兄様のせいで…」


落ち込むマリィの頭を撫でて慰める


「もういいって、気にするなよ」


「はい…あら?アーク、もう一枚あるようですわよ」


言われて気付いた、封筒の中にもう一枚、手紙が入っていた


「ん?ホントだ………………は?」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


放課後


「それじゃあ、行ってくるよ」


「気を付けてね、アン、ゼシア、ユキ、アークをお願いね」


「アーク、くれぐれもお願いしますね」


「神聖国の魔法について分かったら詳細を」


「ヴァニタスさん…それは…不要…です…行って…らっしゃい…です」


旅の準備の為、家に帰る俺達を皆が見送りに来てくれた、しばしの別れの挨拶をして家へと向かう


「それにしてもアンが行く事には許可してもらったけど、有希とゼシアまで連れて行く事になるなんてな、おじさんは何考えてんだ?」


「あれー?私達が着いていっちゃダメだったの?」


こら、体を押し当ててくるな…色々当たってんだよ…


「狭い…もっと離れろよ…いいか?遊びに行くんじゃないんだぞ?」


「大丈夫だよ、お兄ちゃん、ゼシアちゃんは私が見てるから」


「それは頼もしいな、是非頼む」


「2人してひどいー!」


そして俺達は公爵邸に帰ってきた


「お帰りなさい、アークちゃん、アンちゃん、ユキちゃん、ゼシアちゃん」


「おー帰ったのか、随分と楽しそうな事になっとるようじゃのぉ」


「おにー様!おかえり!」「ワン!」


「「「お帰りなさいませ、アーク様」」」


出迎えてくれたのは母上とソロモン、エステルにフェリ、そしてエマ、カノン、マリの3人だ


「ただいま帰りました、母上…ソロモン…面白がらないでよ…エステルもフェリもいい子にしていたか?皆、出迎えありがとう」


「アーク、おかえり」


「父上、ただいま戻りました」


「うむ、あまりのんびりとはしてられないが、今日はゆっくり休め」


「はい、ありがとうございます」


「アークちゃん、皆の旅支度は済ませてあるわ」


「ありがとうございます、母上、エマ達もありがとう、助かるよ」


「ありがとうございます!私達の分まで」


「いえ、これもお勤めでございます」


「アーク、共としてカノンとマリを連れて行くといい」


「2人共よろしく頼むよ、でもマリはエステルの侍女なのにいいの?」


「私からお願いしたの!マリ!おにー様を頼むの!フェリもね!」


「お任せください!」「ワン!」


元気よく返事をするマリとフェリ、え?フェリも?


「カノンも頼むわね」


「お任せを、奥様」


「フェリちゃんまで行くのですか?」


「護衛には十分だろ?君達にはそれ程心配はないだろうがな」


そりゃフェリは災害級の魔物だ、そう言えば昔は神聖国ではフェンリルは神の使いであり、神獣と言われていると書物で読んだな…今ではどうかわからないが…問題にならないのか?


「まだ大きさ的にも犬で通せるからな」


それで大丈夫なのか?

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