第113話 一服


「また色々とやらかしたようね、貴方…」


「その言い方は酷く誤解を招くよ、俺からは一切何もしていない、トラブルが向こうからやってくるんだ…まぁ、今回は俺にも落ち度があるけどね」


「私の…為に…怒って…くれて…嬉しい…です」


「しかし、王女を殴り殺しかけるとは、よく極刑にならないな、お前…」


「今回の事はお姉様にも非がある事、お姉様の傷も致命傷とは言え、お母様がすぐに治療を施したお陰で傷痕すらありません、それに本人達が納得しているのですから、公には何も無かったことにしています、目撃者にはお姉様の暴走と噂を流していますしね、本人が」


「それは…よろしいのですか?スカーレット様の評判が更に…」


「どうやらその心配はない様です、あの日から人が変わった様に働いているそうですよ、そちらの噂も相まって、アーク様が解散させたと皆思っている様です」


「……………」


「ん?どうしたんだ?シル、苦手なお菓子でもあったか?」


「やはり、シルにはもう少し甘い物が良かったんじゃないか?アーク、チョイスが悪いぞ」


「これ用意したのはお前の姉だぞ」


「あら?焼き菓子は苦手だったの?」


「…イエ…トテモオイシイデス…」サクサクサクサクサク


俺達は学園にあるサロンで集まってお茶会をしている、え?男の俺達がいるのは何故かって?いいじゃないか…俺だってお菓子食べたかったんだよ


メンバーは俺、アメリア、アル、シャル、アン、ヴァニタス、マリィ、シルの8人だ

因みに有希とゼシアは城に呼ばれて不在だ

魔界の事でおじさんと話があるそうだ、帰って来たらお菓子持って行ってやるか


「あ、あの…アーク…私、ここにいていいのかな?ていうか、なんで私はここにいるの?」


「ん?知らね、ヴァニタスが連れて来たんじゃないのか?」


さっきからシルの様子が変だ…緊張してるのか?なんで?


「あぁ、2人で話しているところにアンから誘われてここに来た、特に予定はなかったからな」


「私はヴァニタスはどうでもいいですが、シルさんとは一度お話をしてみたかったんです」


「ここここ、光栄です!アンゼリカ様!」


「うふふ、シルさん、そんなに緊張しなくてもいいですよ、ここにいるのはアーク様の身内なのですから」


「は、はい!理事長!」


「そりゃ無茶でしょ、元帝国皇女に皇子、理事長、SSS冒険者、公爵家の跡取り…これで緊張するなってのが無理よね」


「アメリアも大魔法使いの弟子だから俺らとそんなに変わらないぞ?な?シル」


「ひゃい!アメリア様…先生にはよくしてもらっています!」


「あははは…シル、落ち着け、ここにいるみんなは俺と同じで身分なんか関係ないと思っているんだ、だから、友達として接して欲しい、俺やヴァニタスみたいにな、最初は無理でも徐々にでいいからさ」


「あぁ、誰もお前を咎めやしない、安心しろ」


「う、うん、わかった…ご、ごめんなさい…皆さん、テンパってしまって…」


さて、シルも落ち着いて来たしもう少し楽しむか

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