第105話 バカ王子
コイツらマジで殺してやろうかな…
ここは城の一室、身なりのいい大人が数人腰を抜かしていて、壁に人の腰から下が生えている
実際は生えてるんじゃなくて人が頭からめり込んでるんだけど
「はぁ〜帰りたい…」
〜数分前〜
俺は今日、マリィに言われて彼女の兄、サリュバートに会いに来ていた、来たくはなかったが…
おじさんも了解しているなら、変なことにはならないと信じつつ、不安で仕方なかった
「はぁ、憂鬱だ…なんで俺があんな軽い奴の相手をしないといけないんだよ…話なんかないよ…むしろしたくない…」
トボトボ廊下を歩いていると目的の部屋に着いてしまった…
「はぁ〜〜〜〜〜……………失礼します」
ノックをして入室…部屋の中に入ると
「………帰っていいですか?」
「何故だ!?今来たばかりだろう!?」
バカ王子と取り巻きだろう貴族の令息達が数人居た…嫌な予感しかない
「いえ、お久しぶりですね…サリュバート…………兄さん」
「相変わらず冷たいな…後、兄さんと呼ぶのがそんなに嫌か?泣くぞ?」
「アークライド様、幾ら従兄弟とは言え、サリュバート様は第一王子であらせられるのですよ、不敬ではないですか?」
いきなり元気がなくなっているサリュバートを見て取り巻きが何か言ってくる…うざ
「黙れ、誰だか知らないがお前こそ不敬だし、不愉快だ…今すぐ退室しろ…俺は公爵家の跡取りだぞ?それに、王位継承はそこの王子よりも上だ…立場を弁えろ」
「ぐっ…失礼いたしました…」
おー悔しそう、この手の勘違い野郎にはこちらがより上の立場だと最初にわからせれば大人しくなる…全く王子の取り巻きになったからって自分が偉くなったと勘違いする奴っているよなぁ…しかも、同類が群れる…最悪だよ…
「まぁまぁ、彼も私を気遣ってくれたのだよ…許してくれないか?アーク…それに、お前達アークの言っていることは正しい…同席を許しはしたが発言までは許可していない、いいね?」
「も、申し訳ありません…」
ほら、こういうことがわかるのになんで…
「………まぁ、いいでしょう…退室はしなくてもいいですよ、で?俺に用とはなんですか?あ、貴方がやらかしたことは既に聞いております…庇うことは無理です、したくもないです、自業自得なので余生は大人しくして陛下から与えられる仕事だけをこなしてください、以上」
「…辛辣すぎないかい?そりゃ、私がしてしまったことを考えればそうなるのはわかるけど…」
「わかってるならやらないでください…はぁ、なんで神聖国の聖女を口説くんですか…バカすぎるでしょ、死んでください…」
「…君は本当に私に対しては辛辣だね…」
「陛下、王妃、マリィに迷惑をかけ、危うく国際問題に発展する様な愚行をした人に優しくする必要が?」
「ありませんね、申し訳なかった…あまりにも聖女殿が美しかったから…」
「殴っていいですか?」
「ままままって!今の君に殴られたら死んじゃう!強くなりすぎでしょ!」
「はぁ、それで?俺に用があるんですか?」
「あ、あぁ!少し小耳に挟んだんだが、君、婚約したんだってね!おめでとう!それでだ、是非、私にも紹介しベボッ!!」
戯言が聞こえたので顔面に拳を叩き込み、吹き飛ばす…矢の様に飛ぶと壁にめり込んだ…
「あ、つい…しまったな…あまりにもふざけたことを言うから手が出ちゃった…」
「な、な、何を!?乱心したのですか!?」
「何って、俺の婚約者を紹介しろってほざいたからつい…」
「ついって…従兄弟の婚約者を紹介してほしいと言うのがこれ程の仕打ちをすることなのですか!?」
「うん、この人に限って言えばね、この人…平気で婚約者がいる女性に近づこうとするから、絶対に俺の婚約者には会わせない様に陛下にも頼んでいたんだよ」
「だからと言って!」
「でも、それはこの人を守るためでもあるんだよ?俺の婚約者達が誰かくらいは知ってるでしょ?無闇に近づいて怒らせたら最悪殺されるからね?そこは理解してる?」
「いや、流石にそこまでは…」
俺は壁に刺さってるサリュバートの足を掴み引っこ抜く
「ブハァ!ひ、酷いじゃないか…アーク…僕じゃなかったら死んでたよ…」
「相変わらず頑丈ですね…それと、自業自得です…」
「従兄弟の婚約者と仲良くしようとするのがそんなにいけないことかい?あ、わかった!僕に取られるのが」ドゴォォォン!!!
サリュバートの顔の横に拳を打ち込む…床には穴が空いた
「外したか…」
「わ、わかった…ごめん…もう言わないよ…」
「用はそれだけですか?なら、帰ります」
「ちょちょ!待ってくれ!ちゃんとした用があるから!ね?座って座って」
「………はぁ〜なんですか?」
「う、うん…実はね…その…」
「もじもじするな、気色悪い…」
「ひ、酷い…いや、すまない、実はね神聖国から手紙が来てね…」
「……………内容は?」
「聖女様が君に会いたいそうだ」
「………は?」
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