第104話 秘密の夜
「ふぁ〜……眠い…」
二学期が始まり早、3ヶ月…平和な学生生活を過ごしている…有希や、ゼシアは上手くやっているようで安心した有希はともかく、ゼシアは心配だったけど…杞憂に終わった
「だらしないですわよ?」
朝、寮から教室に向かう途中、マリィと会った
「あぁ、マリィか…昨日、少し遅くまで本を読んでいたからな」
「……………昨日は誰ですの?…アルシェール先生?アン?それとも…理事長かしら?」
「ぶっ!な、なんで!?」
な、なぜバレた!?
「貴方は本当に嘘が下手ですね…最早、それは才能ですよ…ここ最近、貴方の婚約者達は夜な夜な貴方の部屋に行き、可愛がってもらっていると聞きました」
「い、一体誰に!?」
「アンから」
「なんで言っちゃうんだよぉぉーーー!!!」
…そう、少し前からアメリア達は変わる変わる、俺の部屋に忍び込んでは、彼女達が満足するまで相手をしている
「って!言い方!!何もやましいことなんかしてないぞ!話をしたり、遊んだりしているだけだ!!」
そうなのだ…一線は絶対に超えないそれを条件に彼女達に許可を出した…
けど、膝枕したりされたり、抱き合ったり、キスまでは許可したけど…絶対に一線は超えないそう決めている
「…………貴方、正気ですか?」
マリィがマジかコイツ…みたいな顔で俺を見てくる…解せん…
「あんな美女、美少女が夜、部屋を訪ねているのに手を出さないとは…貴方は不能ですの?跡取りは大丈夫かしら?」
「失礼な!!ちゃんと正常に機能します!あと、女の子がそんな事言っちゃいけません!」
どれだけ我慢が大変だと思っている!こちとら俺の俺がいつ暴れるか気が気でないんだぞ!
「なら、何故手を出さないの?彼女達の意図を理解出来ないほど、鈍くはないでしょう?」
「うぐっ……そ、そんなの…まだ俺は学生だぞ…そんな無責任な事出来るかよ…まだ、俺にはなんの力もない…責任だって…まだ、俺は子供なんだ…だから、ちゃんとするまで皆とそう言う事をするつもりはない」
「……ちゃんと、と言うのはどうなったら良いのですか?」
「え?……そりゃ……自分で稼げて」
「貴方、今からでもSSSランクの冒険者にだってなれるじゃありませんか、それに公爵家ですよ?既に幾つか公務をしているでしょうに」
「年齢だって…」
「15歳で後継を残すのはザラですよ?お兄様だってお母様が17の時にお腹にいたのです、お姉様なんて14の時よ?」
「そ、それは流石に早すぎでは…」
「……何をそんなに怖がってるのですか?」
「………………一度してしまうとタカが外れて堕落しそうで…」
「そんな理由?」
「こっちは真剣なんだぞ!それに!7人だぞ!アメリア達だぞ?俺、死んじゃうよ?」
「誰がいっぺんに相手をしろって言いましたか?」
「いや、解禁したら絶対、皆我慢できないから、これは確信がある!」
「…………なんとかしなさいな」
「他人事!?見捨てないで!?」
「他人事ですから…あ、なんなら、8人目になりましょうか?」
「俺にトドメを刺すつもりか!?」
「と言うか、朝からいやらしい話しないでくれませんか?」
「君が!先に!言ってきたんだろうが!!」
「そうでしたか?まぁ、私にはどうする事も出来ません、あ、初めてをくれるならいつでもおっしゃってくださいな、喜んで伺いますよ?」
「っ!だから!女の子がそんな事言うんじゃありません!」
そう言ってマリィは歩み出す…と、思ったら振り返り
「あ、そう言えば」
俺は先程のやりとりのせいでどんよりしてるから、気怠げに返事をする
「ん?何?」
「今日、放課後に城に行きなさいな、お兄様がお呼びだそうよ?因みに拒否はなしよ、お父様も了承しているから」
「え"?」
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