第102話 覗き
「この問題は…ルグウィン君」
「はい、これは…」
マリィとの話し合いの翌日、俺は一旦全て忘れて学業に専念している…現実逃避じゃないです…
マリィはあの後すぐに城に戻って、おじさんに話を聞きに行くと言っていた
帝位の事、言わない方が良かったかな?
「正解です、流石ですね」
「いえ、そんな事はないですよ」
この世界の学力は割と簡単だ、解散とはなんかは特に、だから、問題は歴史と他国の言語だ…もう、覚えるのに必死だ…因みに他のメンバー、ヴァニタスとアンは余裕そう…アメリア、有希、シャルは流石教師というところだろ…有希、なんでもできるな…アルと、ゼシアはそもそも勉強なんかしないからな…
「アーク様…今…私を…バカに…した…です?」
「うぇ!?ア、アル?いやいや!そんな事ないぞ!」
「アークゥ〜そんなに慌ててたらそうですって言ってるようなもんだよ?」
「ひどい…です」
って!なんで2人がここに!?
「あの…アルシェール先生、ゼシア先生…今、私の授業中なのですが…何故ここに?」
「?今は…担当の…授業が…ない…です」
「そうそう、だから好きな人を見にきたんだよ?」
「………………………」
辞めてください…そんなコイツらどうにかしろって目で見ないで…
「ん〜?あ、ごめんなさいね、もう邪魔しないから見学してもいい?」
「……それを最初に言って欲しかったですが…私語は謹んでくださいね?」
「任せて…です」
「は、はぁ…では、授業を続けます」
それから2人は一言も話さずに授業の様子を(アークの様子)見ていた、授業が終わると次の授業があると言ってさっさと行ってしまう
「……はぁ〜なんなんだよ……ん?」
いつもは昼休み以外に席から離れないヴァニタスが何処かに行く…トイレか?…………なんとなく着いていくことにした
暫く、後を追うと、どうやらシルと待ち合わせのようだ、魔法談義かな?…ん?あれは…
「むむ…何をしているのですか…そこはもっと…「アン」ひゃむぐぐ……む?」
「大きい声出すなよ…バレるだろ…」
物陰に隠れて2人の様子を伺うアンを発見したので声を掛けたが、驚かしてしまったようで、大声を上げる前に口を塞いだ
「ア、アーク様…もう、ビックリしましたよ…」
「悪かった…で?何してんだ?」
「見てわかりませんか?弟に春がやって来たようなので見守っています」
「春?……………え?あの2人ってそうなの?」
思わず、俺も覗いてしまう…
「まだ、確定ではありませんが、新学期が始まってからヴァニタスは彼女の話をよくしています」
「マジか…あの2人がなぁ…」
「彼女はどなたなのですか?アーク様もお知り合いのようですが」
「なんていうか、弟子…かな?名前はシル、平民で王都から離れた村の出身で村のみんなの為に魔法を学んでいるらしいよ、今はSクラスを目指してる、夏休み前からヴァニタスと一緒に俺が教えた魔法訓練をやってるんだよ」
「ふむ…だとすると彼女の方はまだわからないですね…あの子はあんなにも他人の話をする事はなかったので可能性はあると思いますが、どうでしょう?」
「いや、どうでしょうって……2人はよく、休憩中に魔法談義をしていて相性もいいみたいだけど…実際の所はわからん…」
「なら、もう少し様子見ですね……あ」
「もう、次の授業が始まるな、あの2人も戻るみたいだし俺らも戻るか」
「そうですね……あの、アーク様…」
「ん?どうした?」
急にアンがもじもじしてる…なんだ?と思い首を傾げていると手を握ったり開いたりしている…これは…
すっとアンの手を握る
「!!ア、アーク様…」
「教室の手前までだぞ」
「は、はい!」
アンは満面の笑みをこちらに向けてくる
くそ、その笑顔はダメだろ…
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