第91話 後継?


ゼシアちゃんに師事してから更に半年が経った…


「ユキ〜こっちの下着とかどう?」


「ゼ、ゼシアちゃん!そ、そんなの無理だよ〜」


ゼシアちゃんはとっても接しやすくて…強くてかっこいいお姉ちゃんみたいな人で私達はすぐに仲良くなった…


魔力のコントロールも教え方が上手で1ヶ月くらいでマスターできて、ゼシアちゃんからお墨付きを貰った…偶に魔法も教えたらうけど、自分に出来ないことができる様になっていくので楽しい


あと、おにーちゃんの事も少し話した…死んじゃった兄に恋心があるって言ったら凄く食いついて来て、その日の夜に同じ布団で恋バナをした


ゼシアちゃんは見た目と違ってとっても純情みたいで、結婚するなら好きな人としなきゃねって言ってた…どうやら。龍の里の長から息子と結婚する様に言われて里を飛び出して来たらしい…それで、好きな人を探しているそうだ


「え〜絶対似合うと思うのに〜」


無理です!だってその下着大事な所に穴が開いてるんだもん!さ、流石はサキュバス…えっちぃです…


魔界の方もかなり潤ってきて経済も回る様になってきました…2年前と比べるとかなり豊かになりました


そんなある日に私は魔王さんに謁見の間に呼ばれてゼシアちゃんと一緒に魔王さんに謁見することになりました


「あ、あの……今…なんて…?」


「うわ〜マジか…このオヤジ……」


「はぁ〜…」


魔王さんから言われた事に対して私は聞き間違いかと思いもう一度尋ね、ゼシアちゃんは引いてる…ハングさんは呆れた様にため息ついてるし…


「ユキ君、君に魔王を継いで貰いたい…」


「聞き間違いじゃなかった……いや、何言ってるですか!?私に魔王!?無理ですよ!」


「そうですよ!魔王様!何とち狂った事言ってるんですか?意味わからない事言ってないで仕事してください!」


「うるさい!ハング…ちょっと不敬が過ぎるんじゃないか?」


「いや、ハングの言ってる事は至極真っ当だよ、オッサン…」


「ゼ、ゼシア君…そんな冷たい声で言わないで…オジサン泣いちゃうから…」


「あの…そもそも、なんでですか?魔王さんがいるのに…私に継げって」


「うむ、ユキ君はこの魔界の為に大いに貢献してくれた、それは私が、民達が周知の事実である、君がいたからこそ今の魔界があるのだと皆、口を揃えて言っているのだ」


「そして、君はあの日、覚醒した…魔力量は私を上回り、ゼシア君のお陰で魔法も使える様になるまで成長した…実力的にも資格はある…そして、民達からの信頼も…古い風習のようなものだが、強者こそ王、これが我々魔族の在り方だ…君は私を超える強さを持つ」


「それに、私よりもユキ君が魔王になった方がこの国はもっと良くなると私が思ってしまったのだ……どうか、私の後継になってはくれないか?」


わ、私が魔王……王様になるって事?そんな事…困る…私は元の世界に帰りたい…両親に会いたいんだ…だから…


「勿論、君は異世界人だ…いずれは帰る日が来るかもしれない…それまででも構わない…私は君が動かず国を見たいんだ!」


「……………少し考えさせてください」


「おお!本当か!?」


「ユキ様…よろしいのですか?断ってくれても構いませんよ?後でこの人にきつく言っておきますから」


「そうだよ、ユキ…貴方がそんな事をする必要なんてない…ホントにこのオヤジは…碌なこと言わないんだから!」


「ねぇ、2人ともひどくない?」


「とういか、魔王様、ユキ様に魔王の座を譲ってその後は貴方はどうすのですか?」


「ん?そんなもの決まっているだろう………ユキ君を応援する会を作り!見守るのだ!」


「「仕事しろ、バカ魔王」」

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