第84話 私のおにーちゃん

ごめんなさい!予約投稿ミスってだいぶ先の話を投稿してました!


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〜有希視点〜


おにーちゃんが死んじゃった……


私の名前は星水有希、どこにでもいるただの中学生

私にはおにーちゃんがいる、とっても優しくて家族想いなんだ、おじいちゃんやおばあちゃんが亡くなった時は親戚の中で1番泣いててみんなでもらい泣きしちゃった、私も沢山助けてもらったり遊んでくれたりするから大好き!


でもいつからか私が抱いている感情が家族愛を超えている事に気が付いて少し距離を置いている…


私達は血の繋がった兄妹…こんな感情間違ってる…でも、日に日にそれは大きくなっていき私自身も止まらなくなって来た、だから離れた…


ある日からおにーちゃんが少し変わった気がしたけど、根っこはいつものおにーちゃんだったから気にしなかった…でも、ちょっとかっこよくなってモテちゃうかもって思うとモヤモヤした…ダメダメ…そんな事思っちゃいけない…


それから1ヶ月くらい後、朝、おにーちゃんの顔色が悪い…私は心配して大丈夫か聞くけどおにーちゃんは無理して笑って「大丈夫」っていう…おかーさんにも言ったけど、そのまま学校に行ってしまった…私も学校があったから心配だったけどいつも通り登校した、帰って来たら看病しようと思っていた


けど、お昼くらいになると先生からおにーちゃんが倒れたと連絡があったと言われ、私は頭が真っ白になった…


おかーさんが迎えに来てくれておにーちゃんが運ばれた病院へと向かった、おとーさんも会社から急いで駆けつけた


おにーちゃんは私達が病院に着いた時はまだ意識を失ったままだった…そして、お医者さんからおにーちゃんの容体を聞いて私達は絶望した…


おにーちゃんは未知の病に罹っており今の医学では治療法すらわかっていないものだった…おとーさんはお医者さんに詰め寄って頼み込んでいる…おかーさんは泣き崩れていた…私は……私は何もわからなかった…泣いたらいいのかな?…怒ったらいいのかな?…わからない…おにーちゃん…いなくなっちゃうの?


しばらくするとおにーちゃんが目を覚ました…顔色が朝より悪い…そこでようやく私は理解した…もうすぐ、おにーちゃんはいなくなってしまう…そう理解すると涙が溢れた…


おとーさんから病気の事を聞くとおにーちゃんは最初は驚いていたけど、諦めた様に「そっかぁ」って言った…私はおにーちゃんに抱きついて死なないでとお願いした…けれど…


おにーちゃんは死んでしまった…


おにーちゃんがいない…


おにーちゃんの声が聞きたい…


私は魂が抜けた様にしばらく過ごした…

おかーさんは明るく振る舞っているが、夜、泣いているのを知っているし、おとーさんはおにーちゃんの死を忘れる様に仕事をしている、家に帰って来ても私達を心配してくれるけど、おとーさんの方が心配になってくるほどやつれていた…私達家族はボロボロだった…死にたかった…おにーちゃんがいないだけで生きるのが辛い…きっと両親も同じなんだと思う、皆、おにーちゃんが大好きだったから…


でも、きっとおにーちゃんは私達が笑って幸せに過ごす事を願うと思う…何よりも家族を大切にしていたから…だから、私達は無理にでも元気に過ごした


一年が経ち、私は高校に入学した…受験勉強なんて出来る状態じゃなかったけど…勉強してる方が気が紛れたのでずっと勉強に打ち込んだ、そのおかげか、超難問校に入学することができた…


高校に入学しても、誰とも関わらない様にした…私はどうやら容姿がいいみたいで男子がよく馴れ馴れしく接してくる、胸も大きかったせいでいやらしい目線を受けてしまう…女子も私に寄ってくる男子目当てで近づいてくるので煩わしかったからだ…中学時代の仲のいい友達も心配してくれて慰めてくれるけど、逆に申し訳ない…私が本当に元気になるにはおにーちゃんに帰って来てもらわないと無理だ…でも、それは絶対にあり得ない…死んだ人は帰ってこない…私は生きているけど死んだ様に過ごしていた


けれどそれが終わるのは突然だった…


私は異世界に転移した

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