第69話 決意
アドルフがミレディ王妃と共に城へと向かって少しすると、師匠が目を覚ました
「………っ」
「お師匠!目が覚めたんですね!」
「うるさいぞ、アメリア…むぅ……動かんか……」
「ちょ、ちょっと!お師匠!!何してるんですか!?動いちゃダメです!物凄い重傷なんですよ!!」
「…アメリア、私の外套から赤色の包みを取ってくれ」
「え?…あ、はい…わかりました………これですか?」
「あぁ、それだ…私の手に」
包みを渡した瞬間ソロモンが輝いた
「え!?何!?お師匠!!」
「どうした!?アメリア!!…なんだ!?これ!?」
「アーク!お師匠が…」
騒がしくしてしまったから、アークが部屋に飛び込んできた
アメリアは慌てて助けを求めるが
「だからうるさいと言っておろう…バカ弟子共」
「「は?」」
2人は正に目が点になった…ソロモンは普通に立っていた…あれだけの重傷を負って幾ら魔法で傷は無くなってもこんなにも早く回復するわけがない、とアメリアは思い出す
「あ!さっきの包み!」
「うむ、あれは膨大な魔力が込められた魔封石じゃ、私の数少ないとっておきの一つじゃが…今は寝ている場合ではないからな…少し出てくる、お前達は屋敷から出るなよ」
「な、何言ってるん「ソロモン」アーク?」
「な、なんじゃ…いきなり呼び捨てにしよって…」
少し顔を赤らめるソロモン
「いや、お師匠…ここは照れるところじゃありませんよ」
「やかましい!…それで?なんじゃ?」
「誰にやられたんですか?」
「……………………」
「はぁ、言えないか…ソロモンと関係あるんですね、貴方を襲った相手は…正面からやりやって貴方が負けるとは考えられない…本来の力を発揮できなかった、もしくは出せなかった…違いますか?」
「無駄に知恵が回るの…」
「茶化さないでちゃんと答えろ、ソロモン…襲って来た相手はエルフだったんじゃないか?」
「え!?エルフ!?」
「何故そう思う?」
「まず、貴方に勝てるほどの力を持つ者という時点でかなり絞られる、そして、貴方のその反応目が覚めた途端に行動を起こすほどの相手…ソロモンが執着しているのは同族以外俺は知らない」
「……………全く、妻の秘密をバラすとは悪い夫じゃな」
「まだ婚約者、ですよ」
「ふん、それにしてもよく私の事がわかってるじゃないか、嬉しくなってしまったぞ?」
「当然でしょう、愛する人を見るのは当然です…」
「む…言う様になったの…じゃが、尚更理由がわかっているなら止めてくれるなよ」
「誰が止めましたか?…あぁ、アメリアは止めましたが俺は止めてない…一緒に行きます」
「ダメじゃ」
「勝手について行くので気にしないでください」
「無理に決まっているだろう!?」
「婚約者を傷つけられて俺が怒ってないと思うんですか?…エルフだろうが許す気はないぞ、俺は…だから、連れていけ」
「ソロモン様、諦めましょう…こうなってはアーク様は止まりません、それは貴方がよくわかっているのではないですか?」
いつの間にかアル、アン、シャル、ヴァニタスが部屋に入って来ていた
「敵なら…倒す…です」
「当然だろう、俺も手を貸すぞ」
「単独で行くより安全でしょう?」
「じゃが…」
「それに…私達は…家族…です」
「アン…」
「全くお節介共が…すまんな…」
「年長者ぶらなくてもいいですよ?俺達にたまには甘えてください」
「本当にタラシだのぉ…アーク」
「?なんで…んむ!?」
「「「「あーーーーー!!!!!」」」」
名前を呼ばれたと思ったら胸ぐらを掴まれてキスされた…ちょ!なんか口に入ってきた!!
「…ん……ぷはっ……ふふ…そんなに惚れさせるな…私も止まらなくなるぞ?」
「……………………」
「ん?ふふふ…初心な奴め、事が終わったら一緒に寝るか?」
「おおおお師匠!!ななななにやってるんですか!!??」
「…ずるい…です」
「アーク様、私ともしましょう?」
「わ、私も!初めてですけど頑張ります!」
「なんじゃ?私も婚約者なのだ、これくらいいいではないか……いつまで惚けておる!!手伝ってくれるのだろう?なら、早く行くぞ」
「……はっ!え?あ!ちょ、ちょっとまぐぇ!」
アメリアに襟を掴まれて引っ張られる、振り返ると涙目で
「私とも後でしなさいよ!」
「可愛いかよ」わ、わかったよ
「ふぇ!?」
「お前、多分逆じゃぞ…」
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