第64話 急変
アメリアが作った料理を食べ、昼食を終えるとアンが絶賛している
「ふぅ、なんて美味なんでしょう…アメリア先生は料理もお上手なんですね」
「お師匠がだらしなさすぎて私がやるしかなかっただけよ」
「おい、弟子…ひどくないか?料理くらいやればできるんじゃが?」
「ソロモンさん…果実を切るのを料理とは言わない…」
「です、です」
「え?そのレベルなのですか?」
ソロモンさんが抗議するがこの人が料理をしている所なんて見たことがない…
「のぉ…泣いても良いか?」
「ソロモン様、ここの魔法理論なのですが…」
「ヴァニタス…空気読め…」
「?空気なんてどうやって読むんだ?」
「そんな天然はいらねぇよ!?」
「ねぇ、彼…あれは素なの?」
「えぇ…弟は本当に魔法の事以外には関心を向けませんから…人とのコミュニケーション能力が…その…」
「アン…もう…いい…です」
なんか向こうでアルがアンの頭を撫でている、俺もあっち行きたい…
「あの、アーク様?少し宜しいですか?」
「ん?シャル、どうしたの?」
「ふと、思ったのですが…アーク様達、学園の課題はもう終わっているのですか?2学期まであと1週間ですが…」
瞬間、俺達は凍りついた様に固まった…
「え?ちょっと、アーク?アンも…まさか…」
「そそそそそそそんな物ありましたか?」
「なんかあった様な…」
「まさか…やってない…です?」
「いや、その…色々あって…忘れてたと言うか…」
「わ、私も…アーク様と一緒にいれると思い浮かれておりまして…」
「2人共、課題終わってないのか?」
「あら、ヴァニタス君は終わっているの?」
「あんな物初日で全て済ましている、ソロモン様にお会いするのだぞ?課題ごときに時間を取られてたまるものか」
「う、裏切り者…」
「うぅ…魔法バカの癖に…」
「はぁ、もう2人は屋敷に戻って課題をやりなさい!私達は教師、シャルなんて学園長よ?課題をやってなかったなんて許すはずないでしょ?」
アメリアの圧に俺もアンも震えていた
「「は、はい…」」
「やれやれ、何をしとるんだか…………皆、先に帰っとれ、私は少し調べ物をしてから帰る」
「わかりました、お師匠…あんまり遅くならないでくださいよ?」
「む?ソロモン様は残られるのか?なら、俺も…」
「ヴァニタスは私達の課題を手伝ってください」
「何を言う、アメリア先生方がいるだろう」
「ヴァニタス君、私達は教師です…課題は自分達でやり遂げてください」
「だから、俺は自分の分の課題は終わらせていくと言っている!」
「いいから!手伝ってくれよ!友達だろ!?」
「そうです!姉を助けると思って!」
「は、離せーーー!!!」
アークとアンに引き摺られていくヴァニタス…その後に続きソロモンを残してアメリア達も屋敷へと帰って行った
「……………………」
ソロモンは玄関へと向かい扉を開けて外に出た
「何用じゃ?こんな所へ…」
そこには黒い外套を纏い顔を隠した人物が立っていた
「……貴方が、大魔法使いソロモンか?」
「私の質問は無視か…如何にも、私がソロモンじゃ…お前は?」
「……私は…………」
「お、お前……!?」
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〜ルグウィン邸〜
「あら、もう帰ってきたの?アークちゃん達」
「あ、母上……そ、そのぉ〜」
「ただいま帰りました、お義母様」
「アーク様達が…学園の…課題を…手付かずだと…言うので…」
「あ!アル!なんで言っちゃうんだよ!」
「アークちゃん…」
「は、母上…」
「やりなさい?」
「はい」
「エレナ様、お顔は笑ってらっしゃるのになんだか圧を感じますわ」
「アークが震えてるわよ」
「…わ、私もやってきますね…」
「おい、アン…いい加減に襟から手を離せ…いつまで引きずるつもりだ」
そんなわけで、俺達2人は夕食まで課題に追われることになった…
「アーク、夕食よ…凄い、もう半分近く終わってるじゃない」
「正直言って、この世界の学力は前の世界より遅れてるからね、結構簡単なんだよ」
「へぇ、貴方の世界は凄いのね」
「そりゃ、人が鉄の鳥で大陸から大陸へと海を超えて空を飛んだり、馬車より早い鉄の箱が大量に道を埋めていたり、城より大きな建物に人が暮らしてからね」
「そ、そんな事が…って、夕食に遅れちゃうわ、また今度聞かせて」
「あぁ、勿論だよ…」
「アーク様!!」
扉を勢いよく開けてきたのはカレンだ、走ってきたのか息が切れてる
「カレン?どうしたのさ、そんなに慌てて」
「ソ、ソロモン様が!」
「「!!??」」
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