第63話 平和?


俺達が悶絶していた頃、ソロモンさんの家では、ヴァニタスとシャルがソロモンさんに魔法の修行を受けていた


「………む………く……」


ヴァニタスの周りには火の玉、旋風、水玉、雷、氷、砂、闇、光といった様々な属性の魔法を小さく発動して、くるくると一定方向へと回していた


「……だいぶ良くなってきたのぉ、もう少し、各属性の魔力を均一にすると魔力コントロールがさらに良くなるじゃろ、シャルティアは……流石じゃな」


シャルは坐禅を組み魔力を集中させている、己の魔力を体内で練り上げて純度を高めている様だ


「……………………………ふぅ」


「凄まじい集中力じゃな、魔力の純度もかなりのものじゃ、後はその高純度の魔力をコントロールさせると更なる魔法師へとなれるじゃろ」


「はい、ありがとうございます…ですが、まだまだ、彼には敵いません」


「あいつは理不尽な程成長が早かったからのぉ……あれを目指すとなると果てはないぞ?私ですら、追いつけぬのだから」


「わかっています、しかし、目指す目標が高ければ高いほど、燃えるというものです」


「ふふ、そうじゃな……では、私もやるかの」


ソロモンさんも坐禅を組み魔力を集中させる


「………先は長いですね」


彼女を見てシャルは更に気合を入れて再開する


(ここでは俺が1番弱い…だが、すぐにでも強くなってみせる……何より!あの!大魔法使いソロモン様から直々にご指導いただいているのだ!我が人生満ち足りたり!)


「………ふ……ふふふふ……」


(な、なんじゃ?コイツ…1人で笑っておる…)


(ヴァニタス君…どうしたのでしょうか?お顔がとても気持ち悪いです)


魔法オタクで妄想しているヴァニタスに2人は引いていると


「「「「ただいま〜」」」」


アーク達が帰ってきた


「ふむ、どうやらあちらは終わった様じゃな…私達も切り上げるとしよう……おい!ヴァニタス!聞いておるのか!?」


「…………む?どうしたのですか?ソロモン様」


「アーク達が帰ってきたから今日は終いじゃ、早くお前も来い」


「なんと…もうそんな時間か……わかった、すぐに行きます」


「……なんかお前、話し方変わっとらんか?」


ソロモンさん達も地下の書庫から上がって来て全員、リビングに集まった


「ふむ、おかえり…どうじゃった?模擬戦の方は」


「勝ったよ、ソロモンさん」


「負けました、お師匠…家庭内暴力…」


「む〜悔しい…です…アーク様…規格外…」


「力及ばず…まだまだ精進が必要ですね…しかし、心が折れそうです」


「この3人に無傷って…お前どんだけなんだよ…」


「アーク様は理不尽が服を着て歩いている様な物なので」


「なあ、皆酷くない?俺を虐めて楽しいか?」


「虐めなどと聞こえの悪い…心外じゃの、もっと私達妻を大切にせぬか」


「ま、まだ、婚約ですよ…」


「ん?ん?照れておるのか?可愛いやつめ…なんならこれから女を教えてやろうか?その軟弱な所もマシになるかもしれんぞ?」


「あら?ソロモン様、それならば私もご一緒させてくださいな」


ソロモンさんとシャルが俺の両腕にしがみついてきた…む、胸が…


「ちょ、ちょっと!お師匠もシャルも何言ってんのよ!?」


「……………むぅ」


「わ、私も…」


アメリアが真っ赤になってワタワタして、アルは目が怖いぞ…アン,君は参加しようとするな…というかもう限界…


「あ、あの……2人とも離して貰っていいですか…」


「ん?はぁ…なんじゃ…情けない、これほどの美女達がいるのに手を出さんとは…まさか…枯れておるのか?」


「勘弁してください…」


師匠には一生揶揄われそうだ

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