第60話 未来…
翌日、俺は指輪を求めて父上に紹介された店にやってきていた…
「ようこそいらっしゃいました、アークライド様…アドルフ様からお話は伺っております…この店の店主をしております、ルブランと申します…以後、ご贔屓に願います…それで、今回は婚約指輪をお求めだとか…おめでとうございます」
「えぇ、まぁ…あの、こう言った時に女性に送る指輪の選び方とかあるんですか?」
「そうですなぁ…指輪に付ける宝石にも意味がありますし、指輪のデザイン、アームのデザインにもあるとされています」
「そ、そうなのですね…」
宝石の意味なんて全く知らないぞ…
「ご安心ください、お客様に悔いのない様に全てお教えしますとも!」
「ありがとうございます…助かります」
よかった…これでなんとかなるかな?
その後ルブランさんに指輪の事を教えてもらいなんとか5人の指輪を選ぶ事が出来た…
「ふぅ、ありがとうございました…とても助かりましたよ」
「いえいえ、こちらこそお買い上げいただき誠に感謝しております…それに…」
「?あの…何か?」
「おっと、申し訳ありません…アークライド様が指輪を選び悩んでいるお姿はお父上によく似ていらっしゃる」
「え?父上とですか?」
「えぇ、あれはいつだったか…もう十数年前でしょうか…奥方様に渡す婚約指輪をお求めにいらしたのですが、中々決まらずそれはもう悩んでおりました」
そっか…父上が…
「そのお姿が今日の貴方様にとてもよく似ていらしゃったので」
「……ルブランさん、父上は母上にどういった意味を込めて送ったのかご存知ありませんか?」
「そうですね…全ては分かりませんが…選んだ宝石の意味の一つが『永遠の絆』でしたかな」
永遠の絆か…2人とも確かに仲がいいな…父上やしいや
ルブランさんにお礼を言って店を後にする、指輪は今から製作されるので完成したら後日取りに来る予定だ
店に並んでいる物も良かったがどうせならオーダーメイドにしたいと思ってたからね
屋敷に帰る途中で彼女達の事を考える…
まずは、アメリア…
前世から俺を、俺たちを想ってくれている女性…明るくて、いつも彼女の言葉には元気を貰っている…俺にとっては太陽の様な人だ
次にアル…
彼女はのんびりしてる様に見えるが、周囲をよく見てる…何より最も仲間想いだ…何かあったら仲間の背中を容赦なく押してくる強引さもあるからね
シャルは…
普段は優雅に振る舞ってるけど、イタズラが好きな人だ…冷静に状況を分析して最適解を出す聡明な彼女…いつも嫌われ役を演じる為、少し心配ではあるが、皆それをわかっているので大丈夫だろう
アン…
まだ出会って半年も経ってないけど、彼女の強さと脆さを目の当たりにした…弟を守る為の十数年間はとても一途な想いからだろう、そんな彼女に自分自身の自由を満喫して貰いたい…
そして、師匠…
この世界にやってきた初めて出会った人、命を救われた恩人、魔法を学んだ恩師、そして…実は俺の初恋の人だったりする…前の人生では異世界転移して師匠に会うまで恋なんてした事なかった…心が折れそうな時に側で支えてもらったのがきっかけだろうな…
5人共、魅力に溢れる女性達だ…俺には勿体無いな…いけないな、こんな事考えたらとまた怒られる…
俺は彼女達と歩む未来を想像しながら帰路に立つ
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