第61話 始まりの火

一度は完結にしましたが、続きを始めようと思います、皆さんよければ読んでください!


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「うわぁぁ………」


「だ、誰かぁぁ…」


「助けてぇ…」


「死にたくない死にたくない死にたくない…」


そこは正に地獄であった…


「た、隊長!もう無理です!魔物の数が多すぎます!それに全くはぎゃ!……」


「ぎゃぁぁ……」


「こ、この化け物どもめぐぎゃ!……」


「な、何故だ…何故こんな事に………神よ…」


街を埋め尽くす魔物…逃げ惑い、食い殺される人々…立ち向かい返り討ちに合う騎士…


「へ、陛下!すでに騎士団は壊滅…これ以上は最早……すぐに避難を!」


「どこに逃げよと言うのだ…この様な状況で…くっ…兄上をようやく退けたと言うのに何故こんなことに…」


城から街を見渡す人物…ワール帝国現皇帝、エドワルド・ノア・ワール


兄を暗殺しその子供達すら亡き者にしようとした男が目の当たりにしたのは自らの国が滅びようとしている光景だった…


「お前が皇帝か?」


「な、何もの………」


「お、おい!ひっ!……」


突如、現れたフードで顔を隠した人物に護衛をしていた騎士が剣を抜こうとした瞬間に首が消えた…


「き、貴様はな、何者だ!」


「貴様などに我が名を口にするつもりはない…貴様には我が種族の復讐の為、消えてもらうぞ」


「そ、その姿は…まさか…!そ、そんな!あり得ない!貴様らはもう居ないはず…ぐぉ……がっ!」


気が付けば、腹に激痛が走る…見ると剣が突き刺さっていた、更に蹴り上げられた…


「黙れ…人間が……お前に用はない…死ね」


「ま、まて!……ぐびゃ!」


皇帝の頭を何かが潰した…ビクビクと痙攣していた体はやがて動かなくなる…


「あーーもう殺しちゃったの〜?私も楽しみたかったのにな〜もっと強い奴いないかなぁ」


「うるさいぞ、さっさとしろ」


空からの声に鬱陶しそうに催促する


「もう〜せっかちだな〜それじゃあ行くよ〜」


翼を羽ばたかせ、尾を振る人物が手をかざすと魔力を発する……すると頭のなくなった皇帝の体が起き上がり、頭が再生する


元通りになった皇帝の顔だがその顔には生気がなく、目も虚だった


「終わり〜これでお人形は完成だよ〜」


「よし、魔物どもを引かせろ、目的は果たした」


「オッケー、それじゃあ次は何処〜?」


「隣だ」


「え〜隣って魔法国でしょ〜めんどくさくない?」


「その為に最初にこの国をやったのだ、それに、計画を練ったのはお前の所の者だぞ」


「ぶーそれじゃあ仕方ないな〜」


「少しこの国を整えたら、すぐ攻める、それまでにこの人形、上手く使えよ」


「わかってるよ〜私失敗なんかしないんだから!」


「それならば問題ない…俺の目的を果たせるならな」


「ふふ、貴方くらいだよ?そんな事するの」


「我が種族が受けて来た屈辱…今こそ晴らす…人間は皆殺しだ……」


フードの人物の目には暗い暗い闇の瞳に燃える復讐の炎が宿っていた…

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