第59話 どうしたら…


「まさか、息子のプロポーズを目の当たりにする日が来ようとはな…」


「アークちゃん…立派よ…皆もありがとうね」


「はわわわ……こ、これがプロポーズ…素敵です…お兄様…」


「よかったな、アン…」


はっ!今は食事中だった…また周囲が見えてなかった…何よりプロポーズのタイミングがこれでよかったのか?…もっと、いいタイミングでしたほうが女性は喜ぶんじゃ…


「なんか、変な顔してるわね」


「汗…凄い…です」


「どうせ、求婚のタイミングとかを気にしとるんじゃろ…」


「確かに…食事中でしたね…私達もすっかり忘れてました…」


「ご両親の前で…恥ずかしいです…」


そうだ!結婚するなら指輪!今日…はもう無理だから、明日すぐに買いに行こう…皆の指のサイズ測らないと…サプライズ的なことした方がいいのか?


でも、プロポーズはもうしちゃったし…マズイぞ、どうしたらいいんだ…


「アーク、しっかりして!大丈夫よ、私達から催促した様なものだし…貴方の気持ちを聞けて嬉しかったわ」


「アメリア…」


もうプロポーズしてしまったから素直に聞こう


「皆、指のサイズを計らせて…指輪を用意するからさ」


「アークよ、お前の歳ではまだ婚姻まで結ぶ事はできないぞ、用意するなら婚約指輪にしなさい、今の段階では彼女達はお前の婚約者となるからな…それと店を紹介しておこう」


「わかりました、父上…ありがとうございます」


「アーク、何も急がなくてもいいのよ?5人分だとお金だって掛かるし…卒業まで待つつもりだったし、ねぇ?皆」


皆がアメリアの言葉に頷く…それでも、あった方がいいと思うし


「ううん、俺がして欲しいんだ…皆魅力的だから、悪い虫がつくと困るしね…お金なら問題ないよ…訓練の時に倒した魔物の素材がまだ手付かずだから、それを売れば結構な額になる筈…死の森の魔物だからね」


「え?アーク様は死の森の魔物を倒せるのですか?」


「そうだけど…あそこの魔物は倒しにくいだけでそれほど強くはないと思うけど…」


「それはお前が規格外じゃからじゃろ…いい加減に自分のいかに規格外かを把握せんか…」


「いや、師匠…師匠って倒せるじゃないですか、アメリアとアルだって…シャルもだっけ?」


「貴方ほど楽には倒せないわ…長年あそこで生活して魔物の弱点とか特性を理解したからそれほど苦労しないけど


「死の森の…魔物に…負けはしない…です…でも…強い…です」


「私も魔物の種類によりますが…1人では苦戦を強いるでしょうね…」


「そうなのか…ともかくお金は大丈夫だよ、アメリア…皆、デザインとか希望はある?」


「私は貴方が選んでくれたら、それでいいわ…みんなは?」


皆、俺に選んで欲しい様だ…そんな期待の目でみないで欲しい…プレッシャーを感じるなぁ…センス大丈夫だろうか…女性に贈り物なんて初めてなのに…しかも婚約指輪…


「また、悩んでる…」


「アーク、考え事は後にして食事しましょ?」


「あ、うん…そうだね、食べようか」


とりあえず、明日店に行ってみるか…

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