第54話 エロい…


あの後、意識を取り戻した僕はアル達への返事を待ってもらう事にした…正直、恋人…妻を複数持つ事に僕は戸惑っていた、皆魅力的な女性で好意もあると思う…けど、僕にそんな器があるとは思えない…アメリアの事は幸せにしたいって思うってはいるけど…アメリアはアル達の事どう思ってるんだろ…


「アーク、皆集まったわよ」


アメリアが僕の部屋に入ってくる


「あ、ああ…わかった、今行くよ」


翌日、師匠を訪ねに部屋に行くと師匠はおらず、書き置きの紙が一枚あった


『家に帰る』


うん、実にシンプル…師匠は基本部屋に篭ると誰も入れないのでいつから屋敷にいないか、誰も気づかなかったみたいだ…


「全くお師匠はホントにだらしないんだから…」


「はは…元気にしてるみたいだね」


「わからないわよ、家じゃどうせ食事も果実だけとかでしょうし」


そんなわけで、師匠の事が心配になり、家を訪ねる事となった、それを皆に話すと連れて行けと言われたので全員で死の森へと行く事に


「遅いぞ、アーク!早く行こう!」


「もう!ヴァニタス!はしゃがないでください!」


「私もあそこに行くのは数年ぶりです」


「私は…少し…前に…行った…です」


「皆揃ってるみたいだな」


「ええ、行きましょう、アーク」


「了解、フェル行くぞ」


「ウォン」


テレポートを発動して死の森に向かった…森に着くと


「アーク!テレポートが使えるのか!教えてくれ!」


「どうどう、ヴァニタス…近いよ…」


「大人しくしてなさい!」


師匠の家の前に着いた…前にも来たけど家には家には入らなかったな…懐かしい…


「さて、行きましょうか…お師匠起きてるといいけど」


アメリアに続いて家へと入ると


「うっ!」


「これはなんとも…」


「臭い…です」


「はぁ、やっぱり…」


「これは随分と籠ってるみたいだね」


家の中は正に汚部屋と言える有様だった…食べかけた果実がそこらに転がっており本の山がそこかしこに…埃もかなり溜まっている…人が住んでる状態のものじゃないだろ…


「もう…お師匠は……」


「ははは……師匠!いませんか?」


「お師匠!!今すぐ来てください!」


「………………」


「留守なのか?」


「なんじゃ〜やかましいの〜」


本の山から人影が現れて、師匠が姿を見せた


「あ、師匠そんなとこにいたんで…すか……」


僕は固まってしまった…何故なら師匠の姿を凝視してしまって…


「ん?おお!アークじゃないか、アメリア、アル…おや?そこにおるのはシャルティアか?久しぶりじゃの〜」


「お、お師匠!なんで格好…!なんで下着しか着てないんですか!」


「ソロモン殿はいたか!?」


「ヴァニタス!まだ入ってこないでください!」


師匠は下着だけしか着ていなかった…それも真っ赤な下着だ……エロい…ホントこの人何歳なんだ!


「な、なんじゃアメリア、何怒っとる?」


「たから!服はどうしたんですか!?」


「いやの、穴が空いてしもうてもういいかなと…」


「そうはならないでしょ!それになんですか!この部屋の有り様は!いつも言ってますよね、本は読んだら片付ける、食べながら本を読まない、食べかけをその辺に放置しない!」


「わ、悪かったのじゃ!アーク助けてくれ!」


「ちょ!師匠!」


師匠が俺の背後に回り抱きつく…自分の姿考えてくれ!ただでさえ師匠は絶世の美女だ、その師匠が下着姿で抱きついてくるものだから俺はかなり慌てた…背中に柔らかい感触が…!


「お師匠!そんな格好でアークに触らないで!アークも何鼻の下伸ばしてんのよ!」


「アーク様…?」


「あらあら、これは…」


「むう……」


「素晴らしい本ばかりだな……おお!これは!」


なんで?僕は悪くないよね?あと、ヴァニタス…師匠に目もくれずに本に夢中って……お前は男か!?


「どうした、アメリア妬いとるのか?」


「いや、皆なんで怒ってんのさ!師匠も離れて服着てください!あと、ヴァニタス!後にしろ!」


「クァ…」


騒ぐ僕らをよそにフェルは欠伸をしていた

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