第51話 惚れたか?
「さぁ、アーク…説明してもらいましょうか…」
「アーク様…説明…する…です」
「アーク様、何故護衛を頼んだのにこんなことになっているのですか?」
「あの…説明って言われても…皆が何を怒っているのか分かんないんだけど…」
「「「…………」」」
アメリアは帯電を始め、アルは大剣を取り出し、シャルは笑顔のままだが圧が上がった気がする、あと魔力も…
あの後、アメリアと合流した僕達は一旦、王城に戻りアルとヴァニタスを拾い、テレポートで学園へと戻ってきた、刺客達は城で、騎士団に引き渡した…僕が脅しておいたので逆らう気はないようで素直に連行されて行った、陛下…おじさんには、たまたま会った王妃…ミレディ様に報告をお願いしておいた…アンとヴァニタスを囮に使った事を注意する様にとも頼んだ…反省して欲しい、本当に…
シャルへの報告を済ませ、アンとヴァニタスを僕の家に住まわせると言ったら、目の色を変えて僕を問い詰め、僕は正座させられて今に至る…アンとヴァニタスは隣の部屋でこれからの事を話をしている…2人とも本音を話せればいいけど
さて、僕も今の状況をなんとかしないとな…殺されそう…
「歯を食いしばりなさい、アーク」
「お仕置き…です」
「お覚悟願います…」
誰か助けて…
〜ヴァニタス視点〜
「いい加減に俺をガキ扱いするのはやめろ!」
「ごめんなさい…ヴァニタス…」
「アークから、今までの事を聞いた…俺はそんなに頼りないのか?……俺はお前がそんなに苦しんでいたのを知らなかった!俺は!俺はお前にとってなんなんだ!家族じゃなかったのか!」
俺は今回の事でアークから今までアンがしてきてくれた事を聞いた、俺を悪意から守る為に幼い頃から権力に溺れた汚い大人達と戦ってきたのだ…そんな事何も知らなかった…気づかなかった…俺は情けない…大切な、この世で唯一の家族が苦しんでいたのを知らずに呑気に生きてきたのだ…それが…自分が許せなかった…
「ヴァニタス…ごめんなさい…ごめんなさい…貴方は私にとって、最も大切な家族です…」
「アン…アンゼリカ…姉様…すまない…今まで気づいてやれなくて…俺のせいで…」
「ち、違います!貴方のせいじゃ!私が貴方を頼って手を取り合っていれば…全ては私の独りよがりだったのです…」
「アークには感謝しないとな…あいつがいなければアンも俺も殺されてたかもしれない…それにこんな本音を聞けなかっただろうしな…」
あいつには本当に感謝しても仕切れない、アンを助けてくれて、俺達の関係も見直すきっかけをくれた、いい奴だ
「えぇ、そうですね…本当に大きな恩ができてしまいました…」
「アン…お前…アークに惚れたか?」
「はい………え!?あ!い、今のは!」
わかりやすいな…コイツがこんなに慌てるとは
「そうか…そこらの男なら許さないが…アークなら安心してお前を任せられる」
「なななな、なにを!いっておるのですか!?………随分と信頼しているのですね?いつの間に…」
そりゃあいつほど裏表のない奴はいないしな
「あぁ、シルとの訓練に参加してるうちに、あいつの性格もわかったからな、わかりやすい奴だしな」
「シルとはアーク様が、魔法を教えているAクラスの彼女よね?貴方も加わっていたなんて…」
「それは、後でいい…それより、アークと婚姻したいか?」
「だから、何を言ってるのです!私なんて…アメリア先生やアルシェール先生もいらっしゃるのに…」
「マジか…あの2人も…確かに距離が近かったな…」
「はい…お二人ともお綺麗ですし、実力もかなりあります…私なんて足元にも及ばないでしょうし…それに…アーク様には他に好いたお方が…」
「確かに強敵だな…なら、諦めるのか?あいつは公爵家だ、貴族は妻を複数持つのも普通だ、アメリア先生は平民、アルシェール先生は元王族とはいえ、亡国のだ…なら、帝国の皇女であるお前なら正妻になれるのではないか?」
「ですが…私を見てくれるとは…」
なんでそこで自信なくすんだよ…
「お前…前にあいつを誘惑してたんだろ?体で…なんで今更怖気付いてるんだよ…」
「あ、あの時は、目的のためにと割り切る事が出来たのです!ですが、今は好意を自覚してしまって、あの方にどう接すればいいのか…」
はぁ、まさかこの姉が…こんなにもめんどくさい恋愛弱者だったとは…俺も経験がないが…せめてもの恩返しだ…この情けなく、気高き優しい姉君を手助けしてやろう…
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