第48話 探そう…


「なんでお前がいる?アーク」


「そうですよ!理由をお聞かせください!」


「あはは…」


シャルからの依頼…罰?によりアンとヴァニタスを王城に無事に送り届けるために馬車に同乗している…シャルには帝国からの刺客の事は内密にと言われているので、


「実は、僕と王城に用事があってね…父上に呼ばれてね」


「ふーん…嘘だな」


「嘘ですね」


「なんで?!」


すぐバレた…どうしよう…


「まぁ、いい俺らには関係ないなら話さなくても構わないさ」


「私は気になります、教えてくれないんですか?」


「アン…もうやめとけよ」


「いいではないですか…ヴァニタス、貴方もホントは知りたいくせに…」


「アークには世話になってるからな、無理に聞く事もないだろ」


「でも、怪しいですよ…アーク様に王城での用事なんかあるとは思えません!」


「…その言い方だとアイツが傷つくと知った方がいい…」


しばらくアンに質問攻めされたけど黙秘した…


「もう着いたみたいだな…アン、もう行くぞ」


「もう!アーク様の頑固者!」


王城に着いた…よかった…怪しまれたけどバレずに済んだ…でも、刺客は来ず、戻る時にも護衛しないと


2人が戻ってくるまで僕はどうしよう…王城では流石に刺客の侵入はないだろうし…一応近くの部屋に待機した方がいいかな?…知り合いは誰もいなさそうだな…しばらく、部屋で休憩してると…話が終わったのか城の役人に連れられヴァニタスが入ってきた


「なんだったんだ…特に重要な話がなかった…」


「あ、ヴァニタス、もう終わったの?」


「あぁ………アーク、なんでここに?……お前何か知ってるな、さっきはいいと言ったが流石に不可解だ、教えろ」


「い、いや…その…アンは?」


「話を逸らすな…アンは花を摘みに……そういえば、遅いな」


「え?…どのくらい?」


「もう20分かくらいか…」


「………ねぇ、アンの様子を確認してきてください」


「は、はい」


ヴァニタスと一緒に入ってきた役人にそう告げるとすぐに動いてくれた


「おい!やっぱりお前何か知ってるな!教えろ!」


「落ち着いて、ヴァニタス…今確認してもらってるから…」


「アンゼリカ様の姿がありません!」


さっきの役人とアンについていたメイドだろうか…2人が慌てて入ってきた


「何!?おい!アーク!何が起こっている!」


「説明してる暇はない!探さないと!すぐに陛下に伝えて捜索を!」


「わかりました!」


「どういう事だ!アンは何処に行った!」


「落ち着きなさい!」


僕達が焦って熱くなっていると、アメリアとアルが入ってきた


「アメリア先生、アルシェール先生…あんたらも噛んでるのか…」


「アーク、アンゼリカ王女が王城から出たと思われるわ…彼女の魔力が感じられない」


「どうやら…自分で…出た…です」


「まさか、刺客に気づいて…」


「おい!刺客ってなんだ…まさか叔父上の…帝国からの刺客か!」


「アル!ヴァニタスを頼む!無理矢理にでも抑えてくれ!アメリア!」


「分かったわ!」


「ま,待て!」


「ダメ…です」


ヴァニタスがこちらへ来ようとするがアルに阻まれている、僕とアメリアはすぐに、王城を出る…くそ!何処だ?


「闇雲に探しても無理だ!アンの魔力を探そう!アメリアは街の西側を!僕は東側に行く南下しつつ学園方面に向かおう」


「了解!王女を見つけたらどうするの?」


「魔力を解放すればすぐにわかるから、それを合図にしよう」


「うん、気をつけてね」


「アメリアもな!」


僕とアメリアは別れて捜索を開始する……無事でいろよ、アン!

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