第46話 いい加減にしろ


あれから、ヴァニタスはちょくちょく特訓に参加している、シルとの関係も良くお互いに助言しあっている…とても良いことだ


今は授業で模擬戦をしている、アメリア、アルそれとロンダークという若い男性教師、3人が観戦しながら、助言を言っている


僕はマリィとアンが対戦しているのを見ている、マリィは氷属性を得意としている、アンは火属性が得意と聞いたが、入学試験で見せた蒼炎はただの火属性ではないだろう…氷と火…相性ではマリィに不利だが…


「マリィ!その程度ですか!」


「くっ!……この!」


マリィは氷の薔薇をアンに差し向けるがアンの蒼炎は氷の薔薇を全て焼き尽くす


「はぁ、はぁ、はぁ…」


マリィはもう魔力が限界だろう…勝負あったな


「それまで…勝者、アンゼリカ・ノア・ワール」


「ふぅ…強いですわね、アン」


「相性で勝っていただけです…私の属性が違っていたら負けていたのは私かもです」


2人は握手を交わす…そこへ


「お二人共、美しかったよ!流石は姫様、アンゼリカ君も…」


ロンダークが2人に話しかける…なんだコイツ馴れ馴れしいな…軽薄そうだし…


「……ありがとうございます、ロンダーク先生…」


「どうも……」


2人と不快感を醸し出している…それに構わず


「それよりこの後、お茶でもどうかな?ぜひ、お二人に魔法講師としてお話したく存じます」


「「お断りします」」


おぉ,バッサリと…


「私が教えを乞いたいのは、アーク様です!」


ん?アンが何か言ってる…


「貴方よりアークの方が強いのに何故貴方の話を聞かないといけないのですか?」


マリィまで?何故そこで僕の話をするの?ホラ、僕を睨んでるじゃん…あーもう、こっち来るし…おい、ヴァニタス…離れないでくれ、君の姉がふざけてるぞ、なんとかして…


「アークライド、次の模擬戦を私とやってもらおうか」


「お断りします」


即答で断ったので、一瞬ぽけっとしていたがすぐに顔を真っ赤にして


「これは授業だぞ、断るという事は評価はいらないということでいいな」


「ロンダーク先生、それは横暴ではないですか?それに生徒と模擬戦なんて」


「ふん、新任のアメリア先生にはわからないでしょうが、生徒と模擬戦をする事で学ばせる事もあるのです」


「ですが…」


「なら、アメリア先生…後ほど、お時間いただけますかな?それで手を打ちましょう」


ロンダークはアメリアまでに軽薄に誘おうとする…僕は自分の中にドス黒い何かを感じた…


「おい…」


気がつくと、アメリアの前に立ち、奴を睨む…そして勝手に口が動いた…誰にそんな下卑た目わ向けている…


「ん?なんだ貴様…」


「いい加減にしろよ…お前、大した魔導士でももないのに偉そうに…」


「ア、アーク?」


「き、貴様…公爵家だからと言ってここでは権力など何の意味も…」


「ルグウィン家は関係ない、今は、僕…俺個人としてお前に言っている」


誰の前で、誰を誘ってるんだコイツは…殺そうかな……俺ってこんなにキレやすかったっけ?まぁ、いいや


「模擬戦だっけ?やろうよ、潰してあげるから」


「キ、キサマ…」


「いいから、かかってこいよ…安心しろ、手加減はするから」


「死ねーーー!」


ロンダークが明確な殺意を僕に向け、明らかに模擬戦で使う威力じゃない魔法を撃ってきた


「もう、お前…教師じゃないわ」


「………は?」


俺は奴の魔法を破壊して、炎を生み出す…炎は形を変え竜…ドラゴンになった…ドラゴンを姿をした炎が口を開け、ロンダークを飲み込んだ


「はぁ、よわっ」


「ちょ、ちょっとアーク、殺したんじゃ…」


「ちゃんと生きてるよ、威力も落として焼いたからね」


「アーク様…先ほどの魔法…やはり貴方しか…」


「ここまでとは…凄まじいですわね」


「流石…アーク様…です」


「もう…でもありがとう…私のために怒ってくれたのね」


それぞれが何か言ってるが…アメリア、こんな所でそんな顔しないでくれ…抱きしめてキスしたくなる…


「そんなんじゃないよ…」


「ふふ…照れてるの?口調も戻っちゃて…」


「それより、シャルに報告しといてね」


「えぇ、任せて…クビにしてもらうから」


「アーク!今の魔法はなんだ!何故、竜の姿をしている!あれも魔力コントロールとやらなのか?奴の魔法を消したのは?魔法そのものが崩れた様に見えたが…いや、壊れたと言っていい、なぜ?どうやっぐぼっ!…………」


「うるさいです!ヴァニタス!落ち着いてください!」


興奮したヴァニタスをアンが沈めた……容赦ないな…落ち着くどころか落ちてます…アンさん…彼女…武術も凄いな……


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