第42話 これには訳が……


アンの協力要請を断ってから2週間が過ぎた、あれからもアンからのアプローチは続いている…アメリアやアルにガードしてもらってはいるが2人も仕事があるのでずっとというわけにはいかない…けれど、授業中やシルとの訓練には近寄ってこない…恐らくこの国の人を巻き込まないとうい心情からだろうと思う…それでも休み時間や訓練のない日、挙句寮の部屋にまで押しかけてくる始末…ヴァニタスに事情を伏せてやめてくれる様に頼んでも「あいつが俺のいう事を聞くわけない」と呆気なく断られてしまう…


「ねぇ、アン?」


「なんですか?アーク様?」


今日も部屋に上がり込んでいるアン…


「僕、そろそろ寝ようと思うんだけど?」


「わかりました、おやすみなさい」


「いや、自分の部屋に帰ってって言ってるんだけど!?」


何同じベッドに入ろうとしてんのさ!


「私に協力してくれれば、この体だって好きにしていいですよ?自分で言うのも何ですが魅力的ではありませんか?」


アンは制服のボタンを外しだす…ってまてまて!


「何もしないよ!協力もしないし、君の体もいらない!」


「あら、アーク様の好みではありませんか?」


「僕には好きな人がいるんだ、君に欲情したりしない…ってなんで脱ぐのを辞めないんだ!」


「私、嫌ですけど皇女ですよ?胸もそこそこあります、若いですし、容姿も綺麗とよく言われます…なのに、そこらの女に負けたと言われたら私だって腹が立ちます…なので、嫌がらせも兼ねて既成事実を…」


「テレポート!!」


「あ……もう!据え膳食わぬは男の恥ですのに………テレポート使えるのですね…ますます教えを乞いたくなりました」


僕は咄嗟にテレポートを発動した…アメリアはそこらの女じゃない……ふぅ、攻めすぎだろう…そういえば、あまり座標を気にしてなかったけどどこに転移したんだろう…変なとこに来てなければいいんだけど…誰かの部屋?


「勝手に入っちゃったな…早くでよ…って!!」


女性の服に下着!?マズイぞ誰か女子生徒の部屋に転移してしまったのか…急いで脱出しないと…


「ふぅ、さっぱりした………………」


「…………………やぁ、アメリア…アル…」


風呂に入っていたのだろう下着姿のアメリアとアルが脱衣所から出てきた…転移する時アメリアの事を考えていたからか…赤く染まった頬、濡れている肌、とても扇状的だ……僕は見惚れて固まっていた…


「ア、アーク…なんでここに……」


「覗き…です?」


アメリアは顔を真っ赤に染めて魔力を放出して帯電し始め…アルは大剣を取り出す…


「はっ!ま、待って!2人とも!これには訳が…」


「成敗…です!」


「うわっ!アル、落ち着いて!」


アルの振り回す大剣を避けると


「この…変態!!」


「しまっ……ガハッ!!」


アメリアの電気を浴びた平手打ちを喰らった僕は意識を手放した………



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