第34話 モルモットかな?
少し、トラブルがあったが会場に到着した僕は自分の席を探す
「ん〜僕の席はっと…ここだ…………」
「ふふふ、入学試験以来ですね…アークライド様……お座りにならないのですか?」
「…………………」
隣にの席に座っていたのわワール帝国のアンゼリカ皇女だった…更にその隣は双子であるヴァニタス皇子……なんでさ……
「どうかなさいましたか?」
「い、いえ…何でもありません…ごきげんよう、アンゼリカ皇女殿下、ヴァニタス皇子殿下」
「ごきげんよう、アークライド様…しかし、その様な他人行儀な呼び方を仰らないでください…アン、とお呼びください…」
「………俺の事もヴァニタスで構わない、こちらもアークと呼ばせてもらう…」
お、意外にもヴァニタス皇子からもそんな事言ってくれるなんて、2人とも友好的なのかな…
「あら、珍しい…貴方がそんな事を言うなんて…私もアーク様と呼んでも宜しいですか?」
「うるさい、彼の魔法に興味があるだけだ」
「こ、光栄です、じゃあヴァニタス、アルよろしくね」
「あぁ、精々俺の研究対象にして糧にしてやるよ」
「え………」
なんか凄い酷い事言われた……研究対象って…僕はモルモットかな?
「もう!ヴァニタス!申し訳ございません、アーク様…この子は自身の魔法を強くする事にしか関心がなくて…」
「魔法師なら当然の思考だ」
「あ、あはは…気にしていませんよ…」
「アーク、後でマリアベル王女殿下を紹介してくれ彼女の魔法も興味がある…」
……機会があれば、師匠と会わせてみようかな…気が合いそうだ…
「わかったよ、後でね」
「助かる……始まる様だな」
ヴァニタスが言うと会場の照明が落ちた
「新入生の皆様、お待たせいたしました…これより入学式を始めます……最初に我が校の理事長よりお話がございます」
紹介されて壇上に上がったのは
オレンジの髪に琥珀色の瞳、顔立ちは綺麗で物静かな雰囲気だが服装は軍人の様な格好をしている
「新入生の皆様、入学おめでとうございます…
初めまして、我が校の理事を務めております…シャルティア・エメロードです…本日より皆様方は我が校の生徒であり、魔法を学ぶ……」
シャルティア……シャルの演説は他のみんなを惹きつけ聞き入れる様にしていた…凄いな
「あれがシャルティア・エメロード…確か彼女は他国の平民の出であったはず、なのに魔法の才能に恵まれ若くしてこの学園の理事長を任されたと聞き及んでおります」
「かなり特殊な魔力を感じる…彼女も観察しないとな」
隣でアンが感心しているが…ヴァニタスは危ない事言ってる…目的は違うけどストーカーになりそうだな…
「では、次は新たにこの学園に務めてくださる教員の方をご紹介致します…お二人ともこちらへ…」
……………あれれ?おかっかしぃーなー…
朝家で見た顔が2人いるぞー……
いや!何してんの!?アメリア!アル!
僕何も聞いてないよ!
「ご紹介に預かりました、アメリアです…担当教科は魔法技術になります…教鞭を取るのは初めてなので皆さんと同じ教師新入生です…よろしくお願いしますね」
「同じく…新任教師…アルシェード・ノア・ライゼクス…です…担当は実戦での戦闘…です…よろしく…です」
2人ともこっち見てウインクしてる…すげー楽しそう…これはやられたな…
「アメリア先生はこの国の元宮廷魔法師団団長ソロモン様のお弟子さん、アルシェード先生はSSSランクの冒険者です…貴方方より知識、経験など遥かに上です…学ぶ事は多いでしょう…」
「バ、バカな!あの大魔法使いソロモンの弟子?!ソロモンは行方知らずになっている筈だ!は、話を…ぐっ!………」
アメリアの紹介で師匠名が出た途端、興奮して立ちあがろうとするヴァニタスをアンが肘打ちで昏倒させた…アン強くない?ヴァニタス泡吹いてるけど大丈夫か?
「ハァ、ヴァニタスには困ったものです…あ!アーク様!あのお二人と知り合いですか?何やらアーク様に向けて目配せをしておりましたが…」
なんでわかんの?…どうしようかな…
「いや、知らないな…でもソロモン様の弟子と最高位の冒険者が先生なんて僕らツイてるね」
めんどくさそうだから黙っていよう…
それより後で話があるぞ2人とも…いやシャルも噛んでるよな当然…覚えてろよ、3人とも…
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