第25話 間違ってるのか?


騎士団での問題も片付き、アルシェールを連れ屋敷へと戻ろうとすると


「私は事後処理を少し手伝ってから戻る、先に彼女を連れて戻っていなさい」


そんなわけで彼女を馬車に乗せ屋敷への帰路の途中僕は…


「あの……シュウ様……です?……本当に…」


「うん…久しぶりだね…アル…元気そうでよかったよ」


アルに泣きながら抱きしめられていた


「ようやく…見つけた…です…10年前…ソロモンさんの所に…貴方を…訪ねたら…もう…いないと…言われた…です」


「そう…ごめんね…何も言わないで行ってしまって…アルは僕が別の世界の人間って知ってたのかい?」


「アメリアに…教えてもらった…です…シュウ様…その姿は…何…です?」


隠すつもりもないので向こうに帰ってからの事を彼女にも伝えた…すると背中に回してる腕のがより強くなる


「シュウ様…死んじゃった…です?…悲しい…です…寂しい…です…でも…また…会えた…です…シュウ様…」


「今の僕はアークライド・ルグウィンだよ…アークでいいよ…またよろしくね、アル」


「アーク様…です…了解…です!」


しばらく馬車に揺られ屋敷へと帰ってきた

師匠と母上が出迎えてくれるなんだが暗い雰囲気だが何かあったのだろうか?


「師匠、母上、ただ今戻りました…父上は少し遅れるとの事です…それと冒険者のアルシェール殿をお連れしました」


「ん?ライゼクスの娘か?久しいの…最後に会ったのは3年前か…何故ここに?」


「ソロモンさん…久しぶり…です…シュウ…アーク様を…探しに…来た…です」


「なるほどの…もうおおよその事情は話した様じゃな」


「はい、師匠所でアメリアはどこですか?せっかくアルが来てるのに…会わせてあげたいんでけど…」


「それがね、アークちゃん…アメリアちゃん部屋に引き篭もっちゃって…」


「え!?何かあったんですか?」


「それがの…」


どうやら僕の告白を受け、師匠達にアメリアが相談した様だ…


「アーク様…アメリアの…部屋…どこ…です?」


「え?…アル?」


「案内…する…です…」


アルの雰囲気が急にピリついた…一体…


「早く…です」


「う、うん…わかった…こっちだよ」


アメリアの部屋にアルを連れていく


「アーク様は…ソロモンさん達の…とこへ…戻る…です」


「でもぼ「戻るの…です!」わかった」


「それと。先に…ごめんなさい…です」


「え?なに?」


「何でも…ない…です…早く…行くの…です」


アルは何を話すつもりなんだろう

とりあえず言われた通り師匠達の元へ戻る


「ん?早かったな…アルシェールはどうしたんじゃ?」


「なんだがアメリアと2人で話がしたいらしくて追い返されました…師匠…僕は間違ってるのでしょうか…」


「いや、恐らくお前は正しい…が感情や心と言うのは自分でも儘ならぬものじゃよ…あの子に惚れたのは本心からなのじゃろう?…なら胸を張ってあの子を信じてやってくれ」


「はい、ありがとうございます…師匠…」


師匠の言う通り僕はやるべき事をやるだけだ

改めてアメリアと向き合わないとな…


その刹那、膨大な魔力が2つすぐ側に出現した


「師匠!」


「あぁ、わかっとる…バカどもが…」


「何してるんだよアメリア…アル…」


2つの魔力…それはアメリアとアルシェールのものだった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る