第17話 僕の家族


アメリアの告白により部屋の空気が重い

僕の右側に母上と父上、エステルが、左側に師匠とアメリア座っている後ろにメイドのエマ、カノン、メイも控えている


僕が前世の人格と記憶を持っている事が両親達に知られてしまった、衝動で暴露してしまったアメリアは申し訳なさそうに俯いている


誰も言葉を発しない師匠は静かに座っている両親は困惑していて疑問があるか様だが何を聞いたらいいかわからないといった具合だそんな中


「まずはエレナ、そちらの方の事を教えてくれ」


父上が口を開いた、母上に師匠の事を尋ねている


「そ、そうね…こちらは私の師匠で先代の元宮廷魔法師団団長ソロモン様です…ソロモン様、夫のアドルフです」


母上が父上と師匠をお互いに紹介すると父上が立ち上がり


「ルグウィン公爵家当主アドルフ・ルグウィンです…お初にお目にかかる、歴代最強と名高いソロモン様にお会いできて光栄です」


貴族としての礼をとり師匠に手を伸ばすそれを受けた師匠も立ち上がり


「堅苦しいのは好かん、それに私はもうこの国から離れた身じゃ今はただのソロモンじゃよルグウィン卿、それにエレナ、久しいの息災で何より…良き者に出会ったようじゃな」


そう言いつつ父上と握手を交わす師匠が母上にも声を掛けた


「はい、アドルフは良き夫です…お久しぶりです、ソロモン様…本当に…」


母上も嬉しそうに師匠に答える

師匠と母上は良き師弟関係だった様だ

3人が座ると父上が本題に入った


「それで、先ほどのそちらのお嬢さんが言っていた事ですが…」


父上にそう聞かれアメリアは肩を揺らす、さてどうしたものか勘違いや聞き間違いで誤魔化すのはもう無理だ、本当の事を話すかでももしそれで父上と母上、それにエマ達に受け入れてもらえなかったら……


「アメリアが言っていた事は事実じゃ、私が保証しよう」


僕が答えを悩んでいると師匠があっさりと事実を伝えた…


「な、なにを!」


「やかましい!お前は黙っとれ話が進まん!」


止めようとすると師匠に怒鳴られた


「こいつ、お前達の息子アークライドは前世の人格と記憶を有する所謂、転生者とでもいう存在じゃ、そしてその前世のこいつ、名はホシミズ・シュウはこことは別の世界の人間じゃ」


「転生……」


「別の世界だと…」


父上と母上呆然と師匠の話を聞いている

メイド達も驚きの表情だ

師匠は構わず話を続けた


「私が前世のこいつの面倒を見ていたことがあってな今から15年程前で5年間じゃ、私はこいつの帰還に手を貸し世界を渡る魔法を研究し完成させた、その間にある程度の魔法を教え込んだまぁ、弟子としてなエレナ、お前の弟弟子じゃよ?私は転生して姿が変わろうがこいつは弟子だと思っとるからの」


「師匠……」


師匠が僕の方に顔を向け


「それで、お前はいつまでウジウジしとるんじゃ!そんなんじゃからアメリアが罪悪感を感じとるんじゃろが!」


「お、お師匠…私は別に…」


そうだ、僕がもっと前に皆に本当の事を伝えていたら

怖かったんだ受け入れてくれるか

父上も母上もエステルもこの家の人達は皆信頼できる素敵な人達なのに信じきれていなかったんだ臆病になっていたでも師匠とアメリアが会いに来てくれて姿が変わっても見つけてくれただからもう大丈夫

皆僕の家族なんだ


「アメリア、気にしないで寧ろきっかけをくれて助かったよ」


「シュウ……」


「父上、母上、エステルもそれにエマ、カノン、メイ聞いでください、師匠とアメリアも向こうでの話もするよ、僕は……」


全てを話した前世でこの世界に転移して師匠やアメリアと過ごした5年間の事、元の世界に帰還して家族と再会した事、その一か月後に病に倒れそのまま死んだ事、そしてアークライドとして新たに生を受けた事を……

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