第14話 私の夢④
〜アメリア視点〜
シュウへの宣戦布告をして3年後遂にシュウが元の世界へと帰還する
「じゃあ師匠5年もお世話になってしまって、ありがとうございました」
「良い良い、私にも実りのある時間じゃったからな」
「そう言ってもらえると嬉しいです、お世話になりました」
「うむ、達者でな、アメリア!いつまで俯いとる!早よこぬか!」
「うぅ……グズッ……だってぇ…」
「全く情けない3年前のあの啖呵はどこへ消えたんじゃ?」
「な、なんでお師匠がその事知って……まさか!見てたんですか!?」
「あ、しまった、えぇい後にせい!さっさとシュウと話をせぬか!」
お師匠が逃げた
「あ!お師匠ー!……もう!」
「アメリア」
私の大好きな声が私の名前を呼ぶ
「シュウ……やっぱり行っちゃうのね…」
「あぁ、この為に5年頑張って来たからなホント色々あったよなぁ」
シュウが懐かしむ様に言う
「ありすぎよ…もう…色んなことに首突っ込んで手を貸す私の身にもなって欲しかったわ!それに(あっちこっちにいい顔するんだからライバルが多すぎて大変だったんだから!)」
「ん?最後なんて?」「なんでもないわよ!このタラシ!!」
「なんだよ!タラシって失礼だな!」
自覚ないのかこの天然鈍感男は!
「はぁ、いいわそれよりアンタに渡すものとお願いがあるのよ」
「ん?渡すもの?お願い?なんだよ今頃そんな…」
「これ…」
「?これは?」
それは木の枝と木の実できたティアラだ
「私のね、村に伝わる…その…婚姻を結ぶために相手に送る物なのそのティアラの一部を切り取って夫が持ちティアラを奥さんに送る」
「え!いやでもお前」
「お願いシュウそれ私の頭に乗せてくれないかな?」
「………わかった…」
シュウが私にティアラを被せる、ふふふ、一度村の結婚式を見て憧れだった本当に嬉しい
「シュウ」
「……なんだ」
「あなたが好きよ、いえ、愛しているわ」
「ッ!」
「ふふ、顔真っ赤」
「お、お前こそな」
「えぇ、そうね恥ずかしいわよ?一世一代のプロポーズですものホントならあなたとの子供が欲しかったけど…何度も誘ったのに」
「お、お前まだ14だろ…そ、それはダメだろ色々と…」
「意気地なし…」
「うぐっ」
「ふふ、冗談よわかっているわあんたの覚悟も…私の事も妹くらいにしか想ってないことも………そろそろなのね…」
「あぁもう、時間だな…アメリアありがとうずっと助けてもらってホント感謝してるよ」
「ッ!…えぇ……私も楽しかったわシュウ」
「……それじゃ」
シュウが魔法陣を起動させると空間にヒビが入るそれは大きくなって裂け目となった
「さよなら、アメリア」
「えぇ、さよならシュウ…」
シュウが裂け目に向かって歩き出す
「シュウ!」
私は叫び走り出した、声にシュウが振り向き
「どうし……チュッ……ドン!
シュウを裂け目へと押し入れたその顔は驚きに満ちていて少し赤くなってるしてやったりだわ
「感謝してるのはこっちよ!!バカ兄弟子!ありがとう!ホントにありがとう!大好き!!」
そして裂け目の中にシュウが消えやがて裂け目も消えた…もう……いいよね……
「うぅ……うぅ…シュウ…シュウ…」
愛しい人はもういない…どこにも…
涙が止まらない胸が痛い体の半分がなくなった様だ
「アメリア…」
お師匠が私を抱きしめるお師匠の目にも涙が見えた
「お、おじじょう〜…シュウが…シュウが〜」
「うん、そうじゃな」
「わ、わだじ、ちゃんとおわがれできだがなぁ〜」
「うん、立派だったぞ」
「ホント…に…じんげんに…す…き…だったのに〜いなぐ…なっ…でほじぐ…なかっだのに〜」
「そうじゃな、あいつは大馬鹿じゃ」
「ほんどだよぉ〜バカシュウ〜」
こうして私とシュウの短いとても短いけれども愛おしい時間が終わりを告げた
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