第11話 私の夢①
〜アメリア視点〜
私の名前はアメリア、性はない
とある国の片田舎の小さな村に生まれた
裕福ではなかったがそれでも家族と幸せに暮らしていた
私は両親が大好きだった2人とも仲が良くいつか私も素敵な旦那さんと一緒に両親の様に幸せに暮らすのが夢だった
村の皆も私を可愛がってくれて
村全体で助け合って暮らしているだから私はこの村が両親の次に大好きだ
だけどそんな日々は続かなかった
私が10歳の時私の住んでる国が隣の国と戦争を始めた
お父さんもお母さんもこんな辺境の地にまで戦火なんて来ないよと言っていた
村の大人たちも同じだった
私もそれを信じた
だけど、それは過ちだった
私たちの国が負けた
王様は死んで王都は占拠されたと村長が言っていた
そして私達の村が襲われた
敵国の兵士じゃなかった
同じ国の兵士だった
彼らは敗残兵となり盗賊に身を落としていた
村長も殺された隣のおじさんも殺された可愛がってくれたお婆さんも殺されたお父さんはお母さんと私を庇って殺されたお母さんはどこかへ連れて行かれた
私はお母さんに隠された盗賊がいなくなった後お母さんを見つけた裸で胸に剣が刺さっていた
私は泣かなかった、ただ動かない皆を見つめ続けていただけだった
「遅かったか……」
声がした知らない声だ
振り向くと
「魔法使いさん?」
絵本で見た様な魔法使いさんが立っていた
「酷いのぉ、生き残りはお前だけか?」
魔法使いさんは私に話しかけてくる
「皆動かなくなったの、お母さんもお父さんも皆」
「………それが母親か?」
魔法使いさんは横たわるお母さんだったものを指差す
「うん」
「はぁ…これだから戦争する人間は嫌いなんじゃ」
魔法使いさんはため息をする、ため息をすると幸せが逃げるとお母さんが言ってた
「お前私と来い!」
魔法使いさんが手を私に差し出す
私は誘われる様にその手を取った
「さて、まずは私の家に行くか」
「魔法使いさんのお家?どこにあるの?」
私は魔法使いさんに聞いた
「んー?すぐじゃよ」
魔法使いさんがそう言った瞬間景色が変わった
ボロボロだった村がなくなって綺麗な森の中にひっそりとその家はあった
「ふふ、テレポートの魔法じゃよ」
そう言って私の手を引き家の中へと導くと扉が開いた
「お、師匠帰ったんですか。ん?その子は?」
家から出てきたのは髪がボサボサで服もヨレヨレの優しそうな目をしたお兄さんだった
「戦争孤児…いやあれは戦争とも言えんな…盗賊どもに襲われた村の生き残りじゃ放っておくのも目覚めが悪いんで連れて帰ってきた」
「そう…ですか…」
お兄さんは悲しい目をして私を見てすぐに優しい顔になった
「初めまして、俺は秀、星水秀だよ君は?」
「おぉ、そうじゃな名前をまだ聞いとらんかった!私はソロモンじゃ!」
「わ、私、アメリア」
それが1人になった私とシュウの出会いだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます