第7話 平穏な日々


母上から師匠の事を聞かされて以降なんだか母上の機嫌というかなんかワクワク?してる様な感じだ


魔法指南初日に魔法剣の指南許可を貰ったので父上と魔法剣で模擬戦をしている


因みに勝敗は僕の体の致命傷を受ける場所に木剣を当てたら父上の勝ち、父上に一撃でも当てれば僕の勝ち最初は僕の事舐めすぎだと思ったけど舐めてたのは僕でした


本当に僕の攻撃が当たらない!

僕は魔法剣に加えて魔法も使ってるのに!

父上は魔法どころか魔法剣さえも使ってない剣技のみで圧倒されていた


「ふふ、どうしたアークそんなものか」


「くそ!まだまだ!」


「それでこそ!」


父上にボロ負けしてるけど楽しくて仕方がない


「アークちゃん、その魔法はここで魔力を一度貯めると威力が上がるわよ」


「わぁ、本当だ!」


母上も積極的に僕に最上級魔法を教えてくれる10歳に教えていいものなのか?これ

と思ったが僕からしたらありがたい


師匠には魔法の全てを教えてもらったわけではないからな

帰還の手段を一緒に研究する過程で魔法を学ばせてもらったしなんなら妹弟子の方が強かったくらいだ

そう言えばあの子はどうしてるかなぁ


前世による5年間のこの世界では色んな出会いがあったし、冒険もしたなあれはあれで楽しかった


それに


「どうしてそこまでして帰りたいのよ」


「貴方様に私達は救われましたなのに何も返せていないのに…」


「シュウ様…もう…会えない…です?」


辛い別れもあったな

それでも僕は家族のもとに帰りたかった

結局病気で死んでまたこの世界に戻ってきたけど

もうあの子達とも会うべきじゃないよね

僕はもう星水秀じゃなくアークライド・ルグウィンなんだから

そう想うと胸が痛い……


コンコンコン


僕が自室で物思いに耽っているとドアがノックされた

因みに入室の時のノックは3回だ

2回はトイレだとマナーの講師に初めて教わった


「おにーさま、エステルです」


「エステル?どうぞ」


どうやら妹が訪ねてきた様だ扉が開くとエステルとメイドのメイがいた


「どうしたのエステル?」


「あのね、おにーさまに本を読んで欲しくて」


エステルは2歳にしては覚えが早く言葉もしっかりしている(しすぎな気もするが)

最近は本を読むのが彼女のブームの様だ

屋敷の色んな人にお願いしている

この前なんかうちのコックににお願いしているのを見かけた可愛い


「あぁ、いいよおいでエステル、メイしばらくエステルを見ているから休憩してくるといい」


「よろしいのですか?」


メイが聞いてくる


「もちろん、ずっとエステルに付いていると疲れるだろ?」


「お嬢様はとてもいい子でいらっしゃるのでそれほど疲れないのです、なので私もいてもよろしいですか?」


メアはまるで我が子や妹を自慢する様にエステルを褒めたエステルは僕の妹だぞ


「そうか、構わないよ」


「ありがとうございます!アーク様!」


メイはパァァとひまわりの様な笑顔を作りエステルの傍に立つ可愛い


「メイも座りな、ずっと立ってるのは疲れるよ」


「い、いえ私はメイドなので」


メイが断るとエステルが


「ムー、メイも座ろ?」


「うっ!お、お嬢様ぁ」


なんとも可愛い眼差しでメイを見つめるエステル


「ぷふふ、メイ、座りなよ僕とエステルからのお願いだよ?」


「もー、お二人ともずるいです」


メイは観念してエステルの隣に座った


そして僕はエステルとメイに本を読み聞かせたのだった




「ねぇメイ、この本2歳児が読むものなの?」


「いえ、旦那様の書斎からお嬢様が持ってこられました」


「だよね」


















「さて、久しぶりに一番弟子に会いに行くか、それに面白いことになっとる様だしな」


「おい!準備はできたかアメリア!」


「はい!お師匠!」


待ってなさい必ず見つけてやるんだからバカ兄弟子!!

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