第2話 帰ってきた…のに
いつもと変わらない朝の登校途中に突如現れた
魔法陣によって俺は異世界に転移された
それから俺は5年異世界で過ごし帰還した
目を開けると俺が異世界転移した
いつもの通学路の途中だった
「服も制服だ…これあの時から時間進んでないのか?」
周りを見ると懐かしい気持ちになってくる
車の窓で顔を見ると5年前の自分がいた若返った気分だ
取り敢えず周りに学生もいるようなので学校へ行ってみよう
学校へ着くとクラスメイトと再会した
どうやら時間は進んでないようだ
5年ぶりなので仲のいい友達以外は名前と顔が一致しなかったが新学期になったばかりなので怪しまれはしなかった
学校が終わり家に帰宅すると帰ってきたんだなとしみじみ思っていると
「あ、おにーちゃんおかえりー」
2つ下の妹が出迎えてくれたのだが
「え!?おにーちゃん!ど、ど、どうしたの?学校で何か嫌ことでもあったの!?どこか痛いの!?」
俺は泣いていた
やっと帰ってこれたと嬉しくて涙が止まらなかった
普段泣くことのない俺が号泣しているので妹は物凄く心配してくれてアワアワしていた
「ごめん、なんでもないんだ…ただいま」
その日の夜俺が泣いたことが妹から両親伝わりまた物凄く心配された
優しい家族だと改めて実感した日になった
異世界から戻って1ヶ月が経つころ俺は以前と同じ日常を過ごしていた
異世界に行ってもこっちでは魔法も使えないしな体つきは良くなったが精々肉体労働や体育の成績が良くなるだけだ
そんなある日
「おはよーおにーちゃんなんか顔色悪いね?風邪?」
「え?そうか?自分じゃ特に気にならないけど」
「あら、ホントに顔色わるわよ秀熱は…無さそうだけど」
妹が朝、俺の顔を見てそんな事を言ってきた
それを聞いた母親も俺のおでこに手を当てて熱がないか確認する
「んー特に何も異常は感じないし大丈夫だろ」
「そう?辛くなったら先生に言うのよ?」
「もう小学生じゃないんだから大丈夫だって、行ってきます!」
特に体調に問題が感じられなかったので俺はそのまま学校に行った
そして2限目の授業中に
「ハァ、ハァ、ハァ」
なんだこれ朝は平気だったのに
「ねぇ、星水君大丈夫?」
隣の女子生徒が俺を心配して話しかけてくる
谷口さんだったかな
「いや……ちょっと……やばいかも……」
「先生!星水君が体調悪そうです!」
「ん?星水君が?大丈夫?っ!星水君!あなた顔真っ青じゃない!すぐに保健室に行きましょう!」
彼女が先生に報告してくれ、先生が俺の様子を伺い焦ったように言う
「とりあえず私が連れて行くから皆んなは自習してて!星水君、立てる?」
「ハァ、ハァ、はい、なんと……か……」
ドサッ!
「ッ!星水君!星水君!」
俺はそのまま意識を失った
目が覚めたら病院だった
傍に両親と妹がいた
「うっ…あれ…」
「!おにーちゃん!!」
「秀!」
「秀!よかった目が覚めたのね!」
「ここは病院か……なんで俺どうなったんだ?」
俺が目を覚ますと両親と妹が心配そうに俺を呼んだ
そして俺が状況を聞くと3人とも悲痛な顔をした
妹なんかもう泣きそうだ
「秀…あのね…」
「母さん…俺が話すよ」
母さんも泣きそうになっており言葉を詰まらす
すると父さんが俺の容態を説明してくれた
難しい病名はわからなかったけど
どうやら不治の病にかかったらしい
今の医学では治せないと医者から言われたそうだ
「そう…か」
それを聞いた俺はあまり現実味が湧いてこなかった…
「おにーちゃん!死んじゃやだよ!」
「秀…どうして…こんな」
妹と母さんは泣いていた…父さんも悔しそうに俯いている
そうか…俺は死ぬのか…
平凡に生きてきて異世界なんか行って5年掛けて戻ってきたってのに俺回復系はからっきしだしなぁ…
そうか…
「こんなもんか…」
俺は異世界転移して戻ってきたのに病に倒れ…そのまま16年の人生を終えた
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