決着

世の中は不公平だ、 とランミは思う。

強者は弱者を痛めつける、 無論弱者を救うルールは有るが

適用されているのか? と疑問に思う。


弱者には弱者の特権がある。

革命である。


皆さんが教師となって教壇に立ったとしよう。

皆さんは生徒に向かって良き教師で有れるだろうか?

それぞれ意見は有るだろう。

横暴な事をするかもしれない場合もある。

では相手が高校生の場合は如何だろうか?

1クラス30人、 教師一人では太刀打ちできない。

だが殺人罪暴行罪が有る為に生徒は渋々従うかもしれないが

余りにも酷い場合、 ひっくり返される。

これが革命である。


だがしかし現状、 いや西暦2000年代後半には

既にテロリストには人権は無くなっていた。

テロを許せばテロが続く、 誰でも分かった事であり

テロの報道はテロの被害とテロの被害者。

テロの首謀者の事は一切報じない、 何一つ報じない。

テロリストには何一つ渡さないのだ。


こうなるとテロで、 暴力で世界を変える事は出来ない。

だが考えて欲しい、 政治家が知による力で世界を意のままに変える現状。

これが正しい事だろうか。


自分がよばりを殺したのはアイドルデスゲームなんて馬鹿げた行いで

トップアイドルを決める現状の否定の為。


ランミは言いたいが二人共一切話を聞いてくれない。


「畜生おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!

言論統制だああアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

「人殺しの台詞じゃないな!!」

「全く持ってその通り、 同感だ」


次々と攻撃を加える舞原と欄。

ランミは動揺して隙だらけなのだ、 ランミへの攻撃の手番を増やしていかなければ

先にランミを狩られる。


「大体さぁ、 お前はテロリストに入るのか?」

「あぁ!!? 何言ってんだ!? テロリストだろうが!!」


欄の言葉に舞原が激昂する。


「そういう良い方好きじゃないな!! レッテル張るなよ!!」


ランミが笑う。


「だってお前、 生きようとしたよな?」

「はぁ?」


ランミが困惑する。


「何の話だよ」

「だからさ、 お前、 生きるつもりだったじゃない

船を壊してあからさまに怒ったじゃない」

「・・・だから? それがどうかしたのか?」

「お前は生きようとしたな? よばり様を殺して何をしたかったのかは

知らないし知りたくも無いが生きて利益を得ようとしたな?」

「利益では無い!!」


舞原の攻撃を流すランミ。


「まぁ如何でも良いがテロなんて物は捨て身の行動だ

お前は生きようとした

そもそもアイドルが捨て身になんかなれる訳が無い」

「舐めるなああアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


ランミは銃を乱射した。

欄は回避する、 そして


「跳弾か」


跳弾すら回避した。


「!!!?」


回避した欄は驚愕した。

舞原がランミに突っ込んだ!!

回避しないのか!?


「う、 うわああああああああああああああああああああああああああああああ

あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!?」


ランミは驚愕に絶叫した。

そして舞原はランミの頭を思い切りマイクで殴りつけた!!

一度、 二度、 三度。

ランミの頭からは血が噴き出した。


「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」


声にならない絶叫を叫ぶ舞原。

もはやランミの頭は柘榴ざくろの如く砕け散っていた。


「・・・・・」


欄は絶句していた。

あまりにも凄惨な光景に。

そしてランミが粉々になった後に欄は舞原に声をかけた。


「・・・・・舞原」

「・・・・・」


欄は悲痛な顔をした。

目の前のランミ以上に凄惨な舞原に・・・・・・・・・・・・・・・・


「・・・・・」

「・・・・・」


ランミの乱射により舞原は体中が穴だらけになってしまっていた。

当然ながら致命傷である。

いや、 もう既に絶命している。


「・・・・・」


欄は天井を仰ぎ見た。

自分は舞原に生涯勝てないのだと、 実感したのだった。






画してアイドルデスゲームは勝利条件を満たした

舞原 優菜は第50代トップアイドルに選ばれたのだった。

しかしながら死亡していると言う状況であり

実質的な勝者は華激 欄と称されていた。

しかしながら欄はその名で呼ばれる事を拒否し

『自分の実力でトップアイドルを目指す』と

第51回アイドルデスゲームに参加する。

しかしながら第1回戦『アメリカ横断弾丸レース』で

集中砲火を喰らい死亡するのだった。



そして時は流れて西暦4569年

第57回アイドルデスゲームが始まるのだった。

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