さよなら地球

ランミと矢田は着地後、 魑魅魍魎の群れを殲滅した。


「アタタタタタタタタタタタタタタ!!!」

「・・・・・」


ランミは連打、 矢田は弓の弦を鳴らして魑魅魍魎を払った。


「フゥ、 ナンダカスゴイワザデスネ

ビョーインビョイーンデアクリョーミンナハラウトカ」

「単なる寄絃よつらよ、 まじないの類」

「ヘェー、 スゴイデスネー」

「それよりも周囲に警戒をして貰って良いかしら」

「ナンデー?」

「見なさい」


遥か彼方では光が空から降り注いていた。

そして破壊音の連打。


「ナンダカブッソーデスネー」

「神田とか言うシスターの攻撃ね、 そして攻撃しているのは空から

座標は大体読めている」

「オー? マサカコウゲキスルンデスカー?」

「私の弓矢ならば届く、 本気を出せば人工衛星すら叩き落とせる」

「スゴーイデスガ、 アイテハカミサマデスヨー」

「八百万の神の力を見せようぞ」


そう言って弓を構える矢田。


「ランミさんは周囲の警戒をお願いします」

「ラージャ、 ドノクライカカル?」

「2分有れば充分」

「オーケィ」


2分間の間に矢田はゾーンに入る為に集中する。

ゾーンとは集中力が極限まで高まり

感覚が研ぎ澄まされたように感じる状態のことであり。

超集中された矢田の精密性はそこらの機械を遥かに超える精度

そして破壊力を持つ。


「・・・・・」


矢田は矢を放った。


「っ!! 回避して!!」

「!!」


矢田とランミの元に光線が飛んで来た。


「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」

「失敗した!! 感知されたみたいね!! ならば!!」


相手が感知して矢に向けて光線を放った。

ならばその迎撃が間に合わない位に矢を放てば良い!!

次々と大量に矢を放つ矢田、 光線に射貫かれないように

全力疾走をしながら次々と矢を放つ!!

まるで馬が無い流鏑馬やぶさめの如くに矢田は矢を放ち続けた!!

当然ながら矢は全て撃ち落され続けていた!!

だがしかし劣勢なのは神田の衛星兵器の方である!!

度重なるレーザー攻撃によりオーバーヒートを迎えつつある!!

そして遂に矢田の矢が激突した!!


神田の衛星兵器【パルフェクション】は某国の決戦兵器として作られた

超高機能AIを持った人工衛星であり、 実質的に人工衛星の形の

巨大ロボットと言っても差し支えがない

意思疎通も可能である、 【パルフェクション】は神田とコンタクトを取り

彼女に対して神の様に接し崇められ、 勢力拡大を目論んでいた。

【パルフェクション】の装甲は矢程度ではどうにもならない

しかしながらその衝撃により地球の衛星軌道から離れてしまい

二度と地球に干渉出来なくなったしまったのだった。


「!?」


神田は驚愕する。


「神様!?」

「どうやら矢田がやってくれた様だな!!」

「あの女・・・やってくれるな!!」

「あ、 」


モフと欄の攻撃により神田は死亡した。

モフは神田の死体をすぐさま燃やし、 この忌地での復活を阻害するのであった。

悪夢の島ナイトメア・アイランドで死ぬと魑魅魍魎の類になって復活してしまうのだ。


「「次はお前だ!!」」


互いに対峙するモフと欄。

次々にモフは手榴弾を投げて、 欄は薙刀で弾き返す。

弾き返された手榴弾をまた投げるモフ。

弾き返された手榴弾をまた弾く欄。

弾き返された手榴弾をまた投げるモフ。

弾き返された手榴弾をまた弾く欄。

弾き返された手榴弾をまた投げるモフ。

弾き返された手榴弾をまた弾く欄。

弾き返された手榴弾をまた投げるモフ。

弾き返された手榴弾をまた弾く欄。


いい加減爆発するのではないかと読者諸賢は疑っているのかもしれない。

しかしながら彼女達は超高速でのラリーを続けている。

1秒間に10回以上の弾き合いの末に弾き返された手榴弾を回避しながらも

距離を詰める欄、 薙刀は中距離武器だが距離が離れすぎている。

もっと近づかなければならない、 そしてモフの武器は爆発物。

近くでは使えまい!!

だがしかしモフも更に近付いた!!


「っ!!」


互いに近寄った事により互いの距離は超近距離になった!!

モフに殴られ、 いや、 超高速で撫でられる欄。

否、 超高速で撫でられる様に殴られた。


「ッ」


システマである。

徹底した脱力と柔らかな動作が特徴のロシアの軍隊格闘術。

2500年以上の歴史を持つこの武術は洗練されており破壊力は充分。


「アイドルの命に手が届く、 か」


ふっ、 と笑う欄も構える。

合気道だ!!


「ロシア合気には日本の合気だ!!」

「抜かせ!! ロシアの合気ではなく日本のシステマが合気道だ!!」


殴り合いの戦いが始まった。

隻腕とは言えモフの戦闘能力は高い、 だがしかし

両腕の欄の方が強い。


「ちぃ!!」

「っ!!」


だがモフは様々な技を駆使している。

駆け出しの頃

戦場を駆けたモフにとっては様々な手段による攻撃が可能だ!!


「っ!!」


実戦経験の差がもろに出ている、 だがしかし欄は負ける訳には行かないのだ!!

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