ExtraStage:中国予選

中国地方:ゴールデン・バス①

トップアイドルを争う場に立てなくても

予選で敗退したアイドル達が居る。

予選で敗退した中国地方のアイドル達の話をしよう。

彼女達はカートゥーンに敗北してしまったが

それでも優秀なアイドルだった。



一人のアイドルとバックバンドがステージ上に立つ。

アイドルは長い金髪にアクセサリーを大量に着けた恰好をしていた。

そしてマイクを持った。


黄金のセンチメンタル

作詞:アメリア・ハートハート

作曲:腿=イリーガル


(♪〜前奏〜♪)


さようなら、 さようなら、 また会いましょう


(♪〜かき鳴らす超ギター〜♪)


貴方と会えたこの事実はとても素晴らしい

でもこの幸運に溺れてはいけない

私と貴方は二人で一人、 愛し愛される素晴らしき黄金の時


(♪〜超絶ギターソロ〜♪)


素晴らしい時、 素晴らしい愛、 素晴らしい思い出

だけどそれに溺れてはいけない

私と貴方は二人離れてそれぞれ高みを目指しましょう。


(♪〜超絶ギターソロ〜♪)


貴方と二人山脈を築きたい、 世界を股にかける超山脈

きっときっとそれはそれはとてもとても素晴らしい

黄金のセンチメンタル!!


(♪〜超絶ギターソロ〜♪)


黄金のセンチメンタル!!


(♪〜超絶ギターソロ〜♪)



会場を揺るがす大歓声。


「皆!! ありがとう!!」


彼女は山陰ミュージックに所属するアイドル。

ゴールデン・バス(本名:魚目 見兼)。

彼女はバックバンドメンバーと共に

山陰ミュージックの人気アイドルとして認知されて来た。


「今日は皆さんにお知らせが有ります!!」


観衆がざわざわ、 としていた。


「私ことゴールデン・バスはアイドルデスゲームへの参加を表明します!!」


わああああああああああああああああああああああと歓声が響いた。


「皆!! 応援よろしくね!!」


ゴールデン・バス!!

ゴールデン・バス!!

ゴールデン・バス!!

と歓声が響き渡ったのだった。





「マジでお前如何言うつもりだよ」


山陰ミュージックの社長室にて集められたゴールデン・バスとバックバンド達。


「いや、 俺達も初耳でして・・・社長が指示されたんじゃないんですか?」

「する訳ねーだろ!! タコッ!!」


バックバンドのドラムの多胡山たこやま

通称タコが社長のよんに怒鳴られる。


「おい魚目、 お前如何言うつもりだよ」

「アイドルならトップアイドルを目指すのが道理だと思います」

「馬鹿かてめぇは!! 予選は1人しか生き残れないんだぞ!!」

「確かに他のアイドル達に負けるかもしれません

ですが私は負けるつもりは有りません!!」

「てめぇの勝敗や生き死になんて如何でも良いんだよ!!

アイドルデスゲームじゃあ山陰ミュージックうちから

Messiahメサイアが出るんだぞ!!」


Messiahは山陰ミュージックの花形アイドル。

つまり一番優秀なアイドルである。


「Messiahさんは確かに先輩ですしCD売り上げも上です

それは認めますが私のステージの方が客は沸いています

商業展開が上手いだけの人です、 アイドルとしては私の方が上です」

「っざっけんな!! お前Messiahに下積みの頃から世話になってただろ!!」

「世話になっていましたね、 でも古いアイドルを踏み台にして

新しいアイドルが上に行く、 これは必然では?」

「対して変わらんだろうが!! お前の無思慮な考えで

Messiahブチギレてるんだぞ!? アイドルデスゲームをボイコットしかねん!!」

「怒らせればいいじゃないですか

ボイコットしたいのならば好都合、 私が代わりに出て優勝をさらって来ます」

「すみません、 ちょっと良いですか?」


バックバンドのギターの竹内たけうち、 通称タケが割って入る。


「お二人共聊か頭がハイになって会話になっていない

一旦間を開けて見るのは如何でしょうか?」

「・・・・・だな、 おい、 魚目、 お前少し休んで頭冷やして来い」

「謹慎って事ですか!? 何故!?」


憤慨するゴールデン・バス。


「良いから黙れ、 適当に実家でも戻ってろ」

「実家・・・ですか」

「そう、 長期休暇って奴だ

1週間の休みをやる、 その内に考え直せ」

「・・・・・」


考え込むゴールデン・バス。


「考え直してやはりデスゲームに出場となったら?」

「1週間の間に俺もお前を説き伏せる言葉を考えるよ」


しっし、 と手を振る四。

ゴールデン・バスとバックバンドは社長室から出た。


「おい魚目、 何で俺達に前持って言わなかったんだよ」


バックバンドのサックスの飛騨ひだことヒーターが尋ねる。


「俺達に何か相談が合って良かったんじゃないのか?」

「うっさいわね!! バックバンドの分際で!!」


ゴールデン・バスは憤慨した。


「アンタ達なんて私の添え物なんだから黙って私の指示に従えばいいの!!」

「魚目、 それはねぇだろうが

まさかアイドルデスゲームに俺達も連れて行こうって考えじゃ無いだろうな?」


タケが嘲笑する。


「まさか!! アイドルデスゲームには私一人で出て優勝を掻っ攫うわよ!!」

「おい、 幾ら何でもそれは・・・」


ヒーターの言葉を遮るタケ。


「良いよ、 良いよ、 勝手にしろよ、 俺達も色々と考える必要有るから」

「考えね、 勝手にしなさい、 私も勝手するわ」


そう言って去っていくゴールデン・バスだった。

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