勝ち登った者、帰る者、死んだ者

「諸君!! 良くぞ邪悪六凶を討伐してくれた!!

天国のよばり様も笑っているだろう!!」


開始時の様によばりの巨大遺影の前に集まった

第一回戦【邪悪六凶討伐】を通過した6人のアイドル

舞原、 欄、 矢田、 ランミ、 白百合、 神田。

彼女達を激励する杉野。


「ではこれより諸君等には第二回戦の会場に移って貰おう!!」

「第二回戦の会場?」

「第二回戦の会場は悪夢の島ナイトメア・アイランドだ!!」

「「「「「!!!!!!???」」」」」

「何処ですか?」


神田以外のアイドルが驚愕し神田は知らずに尋ねた。


悪夢の島ナイトメア・アイランドは禁足地に指定されている場所だ!!

我が国の陰陽技術、 風水技術の粋を結集させ関東全ての災厄を全てこの地に

結集させる事で国防を担っている拠点の一つ!!」

「そんな所で暴れて大丈夫ですか?」

「その位置、 という点が重要で会って拠点等は無い!!

言うならば常に災厄渦巻く危険地帯!! 台風の中に突っ込むような物だ!!」

「なるほど・・・ライバル達との争いだけでは無く

環境にも注意を払う必要があると言う事ですね」

「その通りだ矢田!! だがしかし当然ながら

その地に向かう為には準備がかかる!!

ヘリコプターやロケバスで向かうのは不可能だからな!!

特殊な移動方法故に5時間の準備がかかる!!

それまで休憩するが良い!!」


アイドル達は一斉に日本放送本社に向かって各々休息を取った。




一方その頃。

玉蘭と友義は帰りの新幹線に乗っていた。


「社長、 本当にすみません」


1回戦を敗退した玉蘭は友義に頭を下げた。


「良いよ、 思い直せば連中の経費で東京観光が出来たと考えれば良い」


そう言いながら販売員から買ったチー鱈とビールを飲む友義。


「・・・・・私も観光に付き合って土地勘を手に入れていれば・・・」

「だから良いッて、 終わッた事にぐちぐち言うのは止めろ

それに直接の殴り合いじャない分、 お前も不利だッた

お前が考えるのは明日からの予定だ」

「明日からの予定? ですか?」

「そう、 悪いが明日から仕事に復帰して貰うぞ

傷心している暇はない、 トコトン働いて貰う」

「・・・・・案外慰められるよりもそっちの方が良いかもしれませんね」

「そうとも、 タラレバ言う暇が有れば働け」


そう言ってビール缶を渡す。


「私未成年なので」

「ノンアルだから大丈夫」

「・・・・・では頂きます」


そう言ってビール缶を受取って乾杯をしてチー鱈を貰う玉蘭。

少ししょっぱかったがそれが良かった。




日本放送本社、 社長室。


「よばり暗殺の犯人が分かっと言うのは本当か?」

「えぇ」

「10時間かからずにか?」

「えぇ」


杉野は梅干に問い詰めた。


「嘘を吐く訳も無いな、 如何して分かった?」

「実はカートゥーンが殺されていました」

「!!」


驚く杉野。


「奴も死んでいたのか・・・誰に殺された?」

「犯人はコイツです」


書類を見せる梅干。


「コイツだと? 恐らくはアイドルが犯人だとは思うが・・・

それでよばり殺しと何の関係がある?」

「えぇ、 監視していた光学迷彩ドローンの映像と

よばり様のナノマシンを照らし合わせる事で彼女が犯人だと発覚しました」

「なるほどな、 答案が有れば答え合わせは容易、 か」


得心した杉野。


「では次の2回戦のルールは犯人を殺した者が勝利、 と言うのは如何だろうか?」

「それだと1人だけですから、 トップアイドル決まってしまいますよ」

「確かにダメか・・・では犯人を殺した場合、 全員が第3回戦に進出は?」

「それだと盛り上がりに欠けませんか? 5人仲良く1人をリンチになるかと・・・」

「ふぅむ・・・ではどうすれば盛り上がるのだ? 言って見ろ」

「そうですね・・・チーム分けをするのは如何でしょうか?」

「チーム分け?」

「3:3のチームに分けて何方一方のチームのみが3回戦進出」

「それだと犯人チームが生き残るでは無いか」

「その後に犯人殺しのゲームを入れれば問題無いでしょう

この犯人は大した事無い・・・・・・奴ですし

2回戦の途中で死亡する可能性も有りますし3回戦で2人から殴られれば死にます」

「・・・・・待て、 その場合だと3人チームで狡賢ずるがしこく立ち回って

コイツだけ生き残る可能性もある・・・2:2:2のチームで

1チーム脱落、 と言う形では如何だ? これならばチームプレイは必須だ

1人だけのチーム程心細いものは無い

それに輸送手段的にも2人の方がありがたい」

「アレですか・・・・正直総理が狂ったかと思いましたよ

あんな適当な方法で忌地に行けるのですか?」

「問題無い」

「そうですか・・・では3チーム対抗戦で行きましょうか・・・

あ、 そうだ、 二回戦のタイトルは如何します?」

「任せろ、 政府お抱えのコピーライターに任せればすぐに片付く」


杉野は携帯を操作して指示を送った。


「コピーライター・・・あの【邪悪六凶討伐】もそのライターが?」

「不都合でも?」

「【邪悪六凶討伐】はダサいでしょう」

「それは私が考えた」

「・・・・・」


梅干は口の中に梅干が入った口内の唾液の様に汗を流し始めた。


「ふむ、 来たぞ」

「そ、 そうですか・・・それで何と?」

「第二回戦【魔境!!三巴!!悪夢生残戦ナイトメア・サバイバル!!】」



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