第一回戦開始前
日本国放送本社前にて抗議を行う者達。
社会福祉団体『チェイン』構成員1500人。
海外支援事業『フォレスト』構成員2500人。
未就学児支援機構『BAND』構成員500人。
就労支援機構『ぽっぷ』構成員1100人。
政府野党『社共党』構成員900人。
合計6500人、 この時代の日本人口が500万人なので
現在の日本に換算すると16万人以上に相当する人数が集まっていた。
彼等は表向きはアイドルデスゲームの中止を要求する為に集まったが
本当は飽が開幕セレモニーで侮辱された事により飽が腹を立てて
『チェイン』の構成員を集めての抗議活動に
連帯していた『フォレスト』『BAND』『ほっぷ』
そして裏でこの4団体を操る『社共党』が共同で抗議デモを行っていた。
このデモは東京都が認めているデモであり違法性は無い。
だがしかし彼等は穏当に済ませるつもりはない。
『社共党』はこのデモに乗じて日本国放送を乗っ取るつもりである。
先程も言ったが現在の日本換算で16万人も居るのならば
放送局を乗っ取る事は容易い。
更に西暦4500年では銃刀法なんて法律は存在しない為
全員が武装している、 例え重武装をしていてもこの人数ならば
勝利は確実だろう。
だがしかしデモに参加していた『社共党』党首
「・・・・・」
騒々しいデモの声に紛れて街の音が一切聞こえない。
人が居る気配がまるで無い、 明らかに変だ。
彼は東京都知事の
『どうもこんにちは李さん、 何か有りましたか?』
「街中に人が居る気配がしない
日本国放送が先手を打って何かをしているのではないか?」
『特にこちらには申請は無いですね、 気のせいでは?』
「いや、 調べろ」
『・・・分かりました』
海苔が都政を仕切るには後ろ盾である社共党の力が必要である。
その為、 社共党のボスである李には逆らえないのだ。
「李先生!!」
李の元に走ってくるのは『BAND』代表の
『BAND』は未就学児を支援しているという名目で
公金を得て子供達を洗脳している黒い噂のある組織である。
「大変です!! 大日本放送周辺にパワードスーツが配備されてます!!
その数5機!!」
「何ィ!?」
NIHON重工業社製『RX-76パワードスーツ』
頭頂高:20m
本体重量 :44.3t
全備重量:60.0t
装甲材質
ヒヒイロカネ合金
オンミョニウムα
出力:1,830kW
センサー
有効半径 :5,700m
最高速度 :300km/h
武装
60mmガトリング砲×2
陽電子ライフル
アトミック・バズーカ
ビーム・ナギナタ
スーパー・KATANA
A式重力砲
第五次世界大戦において
2つの覇権国家からの8万㎞サイズの巨大気球群と
宇宙人を元に作った超人兵団を打ち破り
侵略から日本国土を守りし鋼鉄の守護神。
それが配備されているという事は!!
「こんな情報が私の元に来ない訳が無い!!」
「つ、 つまり!?」
「我々を殺すつもりだろう!! 即座に逃げるぞ!!」
「ま、 待って下さい!! 李先生は野党の第一党の党首!!
そんな人間を殺すなんて事はあり得ませんよ!!」
「いや、 私には分かる!! 死の匂いがする!!」
「死の匂い!?」
「あぁ!! 第五次世界大戦を生き延びた私には分かる!!」
李は第五次世界大戦からクローン培養された臓器を定期的に交換する事で
尋常じゃない長寿を得る事に成功している。
「巨大気球から降り注ぐ家程のサイズのウイルス!!
宇宙人のなりそこないの目から発射されるビーム!!
あれらが来た時の様に濃密な死が匂う!! 私は逃げるぞ!!」
「ま、 待って下さい!! もしも脅しだけだったのならば
タダの逃げ損じゃないですか!!」
「えぇい離せ!! 離さんか!! 命が大事だ!!」
口論する二人。
周囲の人々も集まって来た。
「お前達!! 見てないでコイツを引き離せ!!」
「李先生を御引止めしろ!!」
混乱の最中、 銃声が響く。
「っ!?」
倒れる朝倉。
一斉に引く集団。
「ちっ、 馬鹿が」
李から硝煙の匂いがする。
明らかに李が撃ったのだ。
「あ、 アンタ、 朝倉さんを」
「黙れゴミ共、 撃ち殺すぞ」
そう言って李はスタスタと去っていった。
実際の所、 李の考えの方が正しい。
『RX-76パワードスーツ』は現在20機しか存在しない。
そんな物を5機、 脅しに使うにしてもオーバー過ぎる。
例えるならば包丁ではなく核ミサイルを手に押し入り強盗をする位には
ミスマッチかつやり過ぎである。
(しかし疑問なのはそんな物が搬送されているというのに都庁の
が気が付かない筈はない、 いやそもそもSNSで情報が出ていても可笑しくない
一体何故だ?)
疑問に思いながらも移動を続ける李。
(・・・・・もしや、
この東京に人が!?)
背筋に冷たい物が走る。
(あまりにもオーバー!! 滅茶苦茶が過ぎる!!
私を始末するとしても余りにも過剰戦力だ!!
一体何を考えている!!)
半ば泣きながら走る李だった。
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