第14話「安岡講堂前の決戦2 チャラvsアオサギ 固有スキル・発電鬼の力」

      1


 東王とうおう大学、安岡やすおか講堂こうどう前。

 チャラと勉学は軍団長ぐんだんちょうアメリア&アオサギと戦っていた。


 アメリアの固有魔法「飴玉のアメトーク」で作り出された、ドリル状のアメがチャラに迫る。


 た、た、助けてっすぅぅぅぅ。


爆殺黒閃破バーストブレス

 勉学がこちらに走って来ながら、黒い閃光せんこうをドリルアメに放った。

 轟音ごうおんが鳴り響く。


 ドリルアメは溶けて、地面にこぼれた。

 た、助かったっすぅぅぅ。


 「あ? 何、助けてるアメ?」アメリアは勉学を睨みつけた。


 「チャラ、敵を交代しよう! アイツとは相性あいしょうが最悪過ぎる!」

 彼はそう言うとアメリアに向かっていった。

 

 相性ってか、軍団長は強いって事すよ、勉ちゃん。


 「分かったっす」とよろけながら、アオサギの方へ向かう。

「させないアメ」

 とアメリアはドリル状のアメを放つ技、篠突く《しのつく》アメを勉学とチャラに放った。

 

 二人は地面に腹ばいになってかわす。

 ドリルアメはアオサギに向かっていく。


     2


 「サギギ」

 アオサギは慌てた。


「パニックハウス。指定アオサギ」と勉学が声を出す。

 今、一番怖いのはアメの能力……だろ?

 アオサギの頭が光った。


 「飴玉のアメトーク、習得」脳内男が伝えてくる。

 

 よっしゃ、この能力欲しかったんだよな。


 アオサギは「火炎獄殺ごくさつ拳」と炎を放ち、ドリルアメを溶かした。

「危ないサギ、アメリア」と焦りながら、彼女に忠告ちゅうこくする。


 「うっとうしいから、アンタも死んで欲しいアメよ」

 とアメリアは爆笑する。


 「篠突くアメ!」

 勉学は油断している彼女にドリル状のアメを飛ばした。


 「は? は? 何でアメ」

 アメリアはパニック状態になりながら、盾状たてじょうのアメでガードする。

 チャラはまだ腹ばいになって、死んだフリをしている。


 「俺の能力はコピー能力。お前の能力コピーしたんだよ」

 勉学はドヤ顔で二人に言った。コピー能力(嘘)作戦行くぜ。

 続けて「チャラ、アオサギは頼んだぞ」と言うとアメリアの方に駆けた。


 「死んだフリ。からのライトニング」

 アオサギに向かって、チャラは雷を放つ。直撃し、奴はダメージを負った。


 「あ?」

 鳥の魔人はマジ切れした。


 「いや、あの、ジョークっすよ」

 と言うとチャラは全力で逃走を図った。

 アオサギはそれを追う。


     2


 安岡講堂前の広場をチャラは逃げ回っていた。

 無理っす、怖いっすよ~。勉ちゃん、助けて~。

 勉学に目でSOSを送る。


 アオサギは「モクジュ、モクジュ、リート。樹木じゅもく圧殺あっさつ拳」と詠唱えいしょうし、右手から複数の木を伸ばしてきた。


 「ダサン、ダサン、メイライ。電死閃光破ライトニング

 チャラも雷魔法を放ち、相殺そうさいする。奴の木は丸焦げになった。


 「サギギ。サギの能力は木火拳ウッドファイア。木と火、2つの魔法を使えるサギ」

 アオサギはそう言うと「ロエモ、ロエモ、ムホララ。炎火大爆殺球大ファイアボール」と大きな火の球を放ってきた。


 これは勉ちゃんがよく使ってる!

 チャラに大ファイアボールが炸裂する。豪火が辺りに広がった。


 「大ファイアボール! 大ファイアボール!」

 奴はどんどん火球かきゅうを放ってくる。


 「うわぁー」

 チャラは叫ぶフリをした。全然効いてないっすけど。

 接近戦は困るっすけど、遠距離の火魔法なら、全然OKっす。


 「サギギ。命乞いしたら、助けてあげるサギ」

 アオサギは笑いながら言った。


 「本当っすか?」

 チャラは火炎の中から質問した。


 「嘘サギ! 騙されて、馬鹿サギ!」

 アオサギは更に大ファイアボールは放ってくる。

 続けて「お前を殺して、あのウザイのも殺すサギ」と言い放つ。


 「俺は、兄貴助けるまで、死ぬ訳にはいかないんすよ」

 火魔法を吸収しながら、呟いた。


 「お、お前、何してるサギ?」アオサギは慌てた。


 「俺の固有スキルは発電鬼クリーンエナジー。火魔法、風魔法、水魔法は吸収して、電気に変換へんかん出来るっす」


 チャラはニヤリと説明した。右手のこうには雷神らいじんの紋章が光る。

 レベルがあまりに離れている使い手からの魔法は無理っすけどね。


 「そ、そんな、強いスキル、嘘サギ!」

 アオサギは木火拳で手から樹木を伸ばしてくる。


 「ダサン、ダサン、メイライガガ。雷神雷殺破特大ライトニング

 チャラは両手で魔力を練ると、超大量の雷をアオサギに放った。


 ドォーン! バーチチチチチ!


 奴は感電かんでんし丸焦げになった。

 そして「サバブ!」と叫び、爆散ばくさんした。


 うぉぉぉぉ。意外と強いかもっす、自分! 

 チャラはガッツポーズした。

 

 そして、勉学の元へ向かう。戦わないっすけどね。

 兄貴、絶対自分が日本に連れ帰るっすからね。


 チャラは勉学とアメリアの戦いを見た。


 アメリアが大量のドリル状アメを勉学に向けて放っている。

 あ、危ない! 勉ちゃん! 勉ちゃん! 死ぬな! 死なないでくれっすぅぅぅ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る