第10話「正門の戦い3 大公爵アシュラ・ガオウ・カブト現る」
東王大学の
魔王コロシアの召喚獣バフォメットの攻撃を受けているのだ。
く、苦しい、押しつぶされそうだ。
「ちょっと、静かにしててね」
コロシアはニコっとする。
「勉学!」
アネゴが勉学を助けようと、コロシアに
「おっ、速い、速い」奴はニコニコしながら言った。
アネゴはコロシアにパンチを繰り出した。
バシィ、と影が腕でパンチを防いだ。
「大丈夫アルか? コロシア」
全身に札を貼った、キョンシーの美少女が立っていた。
「ありがとう、アシュラ」
コロシアは礼を言う。
キョンシー女はアシュラと言うらしい。
「お前を殺すの、私アルよ。私が大魔王軍の最強」
アシュラがギラリとコロシアを睨む。
「僕を倒すのは、まだ無理かな」
奴は微笑んだ。
「誰なんだぜ、お姉さん? 最強は、私だぜぇぇ」
アネゴが殴りかかった。
アシュラは、軽く避け
「私は、
そう言うとデコピンをアネゴの腹に当てる。
ドゴォンと大きな音を立てながら、アネゴの腹に衝撃が広がる。
アネゴは、
「アネゴが、一撃だと……」勉学は
「アレが、大公爵クラスよ」
オリーブは冷や汗を流しながら、口を開いた。
「何だ? 大公爵クラスって」
「
おいおい、そんな強い奴が、1
更に、3つ目と4つ目の馬車から人が出てきた。
「何があったのです」
獅子の男は、
「ん? 襲撃……かな」
コロシアは笑って答える。
「ガ、ガオウ」
オリーブの
彼女はいきなり、ガオウに斬りかかった。
ガオウはフゥと
「鳥獣保護砲(アニマル・スピリット)」と小さい声で言った。
ドゴンッ
ガオウの
「ア、 グウ」
オリーブは地面に倒れた。
「オリーブ、戦から身を引け。幸せに行きよ」
とガオウは悲しく言った。
「アンタだけは、アンタだけは」
「お父上は人類を守りたかった。私は、
「オリーブ!」
勉学は、地面に圧迫されながら、声を上げる。
チャラの方を見ると、奴もいつもと違う表情をしていた。
「あ、兄貴。カブト兄貴っすよね」
とイケメン男に叫んでいる。
「……」
だが、相手は沈黙を続けていた。
「俺っす、チャラっすよ」
「……。久しぶりだな、チャラ」
「生きてたんすねー」
「……」
「早くこっち来て、一緒に戦ってくれっす」
「……。俺はこっち側の人間だ、チャラ」
カブトは青い鳥の
チャラは絶句した。
「嘘っすよね? 何で? 兄貴!」
チャラはカブトの方へ向かっていった。「帰ろうっす。一緒に日本に帰ろうっす」
「……。俺はこっちにいたいんだ。うんざりなんだよ」
カブトは「ダサン、ダサン、メイライ」と詠唱を始めた。
杖を向け「電死閃光破(ライトニング)」と雷を放つ。
「ぐわぁぁ」
チャラは電撃呪文を受け、声を上げた。「固有魔法 発電鬼(クリーン・エナジー)発動」
当たった電撃がどんどん小さくなる。
数秒して「吸収しきれねぇ」と呟くと全身に雷が走り、血を吐き、地面に伏した。
「……。チャラ、お前だけは生かしてくれる様、大魔王様に頼んでみる」
カブトはそう言うと、優しい目でチャラを眺め続けた。
「アネゴ! チャラ!」アサガオはわんわん泣いている。
「クスクス。全滅、かな」
コロシアは笑いながら、声を発した。そして、召喚獣バフェメットを消した。
勉学は、よろよろと立ち上がる。
「ま、ま、まだ、俺がいる」
「本当はね。僕達戦っちゃいけないんだ」
「あ?」
「ここでの戦争はさ。魔カジノで賭けの対象になってて。僕達が参戦しちゃうとさ、賭けにならないじゃん? だから、戦うの禁止」
「う、う、うるせぇぞ、カス」
勉学は槍で体を支え、コロシアの元へゆっくりと向かっていく。
「今は休んでさ。また、挑んできてよ」
コロシアは更に紋章を光らせて「召喚獣グリフォン」と言う。
「返せよ、アサガオを返せよ」
勉学は言い放った。
「それは無理。この子は勇者の紋章を持ってるからね」
コロシアは優しく言った。「じゃあ、また会おう、勉学」
グリフォンは「ゼーカ、ゼーカ、ドウィン」と呟く。
続けて「爆風突破撃(ワイドウィンド)」と口から
「アサガオ! アサガオ!」
勉学は叫ぶ。
「兄ちゃん!」アサガオは手をこちらに伸ばし、泣きながら、大声を出す。
強風が勉学、オリーブ、アネゴ、チャラを吹き飛ばした。
4人は、文法2号館の壁に激突する。
クソッ。クソッ。クソッ。アサガオォォォォ。
勉学は、意識を失った。
し、死ぬのか。俺……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます