<第八話>憎みきれない思い
少女の名前はティアと言った。彼女は、サリー先生とグリーンに自分のペンダントを渡し、彼らと友達になりたいと言った。サリー先生とグリーンは、ティアの優しさと純真さに感動し、彼女と友達になることを承諾した。そして、ティアにも一緒に旅をすることを誘った。
「本当に?私も一緒に行っていいの?」
ティアは、喜んで言った。
「もちろんだよ。君は、水の魔法が使えるんだから、僕達の助けになるよ。だから、君さえ良ければ一緒にパーティーに参加しないかい?」
グリーンは、笑顔で言った。
「そうだよ。ティアちゃんは、私達の仲間だよ」
サリー先生も、優しく言った。
「そしたら、もうこのペンダントは君に返すよ。君の優しさは忘れないよ。」
グリーンはティアにペンダントを大切に手渡した。
「ありがとう……ありがとう……」
ティアは、涙ぐみながら言った。彼女は、この村で一人暮らしをしていた。両親は、彼女が小さい頃に亡くなってしまい、親戚もいなかった。彼女は、村の人々に助けられながら生きてきたが、本当の友達はいなかった。彼女は、自分のペンダントを大切にしていた。それは、母親が残してくれた唯一の形見だったからだ。しかし、彼女は、サリー先生とグリーンに出会ってから、自分のペンダントを彼らに渡すことを決めた。彼らが必要としているものだったからだ。そして、彼らが自分を友達にしてくれると言ってくれたことで、彼女は初めて本当の幸せを感じた。
「じゃあ……行こうか」
サリー先生は、ティアの手を引いて言った。
「うん」
ティアは、頷いて言った。
「行こう」
グリーンも、ティアの手を握って言った。
三人は、村を出て火山のふもとに向かって歩き始めた。
火山のふもとまでは、村から一日ほどかかる距離だった。途中で、森や川や草原を通り抜けながら、三人は楽しく会話した。ティアは、自分の村での暮らしや水の魔法について話した。サリー先生は、異世界に来る前の自分の世界や魔術師としての経験や知識について話した。グリーンは、自分が魔法が使えることを知ってからの冒険やサリー先生と出会ったことや魔王について話した。三人は、それぞれ違う世界や背景や目的を持っていたが、共通点も多く見つけて親しくなった。
「ねえ……魔王について知ってる?」
グリーンは、ティアに聞いた。
「魔王……」
ティアは、深刻な表情で言った。
私は……魔王に家族を奪われたんだ」
「えっ……本当に?」
グリーンは、悲しげに言った。
「うん。私が小さい頃……魔王が村の外れで新たな魔石を探していた私の家族を襲ったんだ。私……両親や妹と一緒に逃げようとしたけど……間に合わなかった。奇跡的に岩の陰に隠れた私だけが……生き残ったんだ」
「それは……ひどい……」
グリーンは、涙ぐみながら言った。
ティアは、涙をこらえながら言った。
「だから……私は……魔王に復讐するんだ。そして……この世界を救うんだ」
ティアは、力強く言った。
「ティア……」
サリー先生は、ティアの手を優しく握って言った。
「私も……協力させてもらうわ。私も……あなたの力になりたい」
サリー先生は、真剣な目で言った。
「サリー先生……ありがとうございます」
ティアは、感謝して言った。
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「さあ……行こうか。火山のふもとまであと少しだよ」
サリー先生は、前を指さして言った。
「うん」
ティアとグリーンも、頷いて言った。
三人は、一点を見つめるかのように歩き始めた。彼らの目的地である火山のふもとに向かって。
続く....
<お知らせ>
これより先のストリーから、毎度まいどここのスペースに人物紹介を入れていきます。宜しくお願い致します。
=-登場人物-=
アルト :神
サリー先生 :魔学の先生
ツツテン :ヒーラー
深淵の塔の結界 :魔王のすみか
ガルドラックス :魔王
ガルブック :本
ティア :水魔法が使える少女
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