異世界帰還の道しるべ

<第二話>生まれ変わった場所...

グリーンが目を覚ましたとき、彼は見知らぬ部屋にいた。彼の周りには見慣れない家具や装飾品があり、窓からは奇妙な建物や風景が見えた。彼は自分がどこにいるのか分からなかった。前に置いてあった長く使われていたであろう立派な鏡を見上げるとそこには小学生くらいの大きさの手、低い身長の生まれ変わってしまったであろう自分と目を合わせた。

「だ、だれだ？」

「どうしてこんなに背が低いんだ！そして何だこの甲高い声は！」

彼は意識を失った際に見た夢の一部を思い出した。

その夢ではある男がグリーンに向かってささやくかのように話していた。

自分はこの世界では最も強力な魔法使いの一族であり、王国の支配者でもあったスクマ一族の長男として6年前に生まれ、名前は転生前と同じグリーンだということを。

その夢を思い出したグリーンは驚いて言葉を失った。彼は自分が魔法にかかって異世界のスクマ一族の生まれ変わりになったことを理解した。グリーンは自分がどうすればいいのか分からず、困惑した。

しかし、まだ子供であったために逃亡したとしても何もすることができずにいたので仕方がなく慣れない日々を送ることにした。

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しばらくしてグリーンは12歳となりグリーンとしてスクマ一族の屋敷での暮らしに慣れてきた。彼は母親や父親、妹や兄弟たちと仲良くなり、彼らからこの世界のことや魔法のことを教えてもらった。彼は自分の持つ力に驚きながらも、それを楽しみ始めた。しかし、彼は自分が本当に属する世界はここではないと感じていた。彼は自分がグリーンであることを忘れずにいた。元の世界の仲間が恋しかったのだ。

ある日、グリーンは屋敷の図書室で「異世界への扉」という本を見つけた。それは彼がこの世界に来るきっかけとなった本だった。グリーンはその本を手に取り、ページをめくった。すると、本から声が聞こえてきた。

「こんにちは、・グリーン君。私はこの本の作者であり、あなたをこの世界に呼んだ者だ。私の名前はアルトだ」

グリーンはこの声に聞き覚えがあり、あのとき夢に出てきた男であることに気がついた。

そして驚いて声に出した。

「あなたが私をこの世界に連れてきたのか？どうしてそんなことをした？」

アルトは笑って言った。

「私はあなたに興味があったからだよ。あなたは特別な力を持っている。それはこの世界でも珍しい力だ。私はあなたにこの世界で冒険をしてもらいたかった」

グリーンは怒って言った。

「冒険だと？私はあなたの遊び道具じゃない！私は自分の世界に帰りたい！」

アルトは冷ややかに言った。

「そう言うなら、帰ればいいじゃないか。この本があなたの帰り道だ。ただし、簡単には帰れないよ。この本には条件があるんだ。あなたがこの世界で最も強い魔王を倒すまで、この本は開かないようになっているんだ」

グリーンは呆然とした。

「魔王？どういう魔王だ？」

アルトは謎めいた。

「それはあなたが自分で見つけることだよ。さあ、頑張ってね。私はあなたのことを見守っているよ」

そして、本から声は途絶えた。グリーンは本を開こうとしたが、どうしても開かなかった。

続く、、