第3.5話 加護を授かった息子 大五side

今日は可愛い息子が加護を授かる日だ。

どんな加護だろうと温かく迎えるようにと使用人にも言い聞かせ主人公が気に入った日の国料理を作って待っててもらうようににも連絡をした。


私は焔の加護を授かっている。上位の加護だからと傲慢にならず努力を積み重ね28という歳で九頭竜騎士に任命された。


あの子にもそうなってほしいとは言わない。

そりゃなりたいって言われたら全力で応援するが強制するつもりはないさ。

可能な限りあの子には自由に生きてもらいたいからね!


さて、順番が来たみたいだ。

どんな加護を授かるのだろうか。


そう思っていると20年とちょっと前に見た加護が見えた。

見えたのだがそれとは違う深海のような蒼い光を放つ加護が現れた。


「─美しい」


その一言につきた。紅く蒼く光るその姿はすごく神秘的に見えたのだ。


そしてその後上位加護として受けとることができる神器が現れた。

自分の場合は紅の大剣だったがどうだろう。

彼のことだから剣かな?レイピアかもしれないし弓かもしれない。

そんな歳に似合わないワクワクを抱えながら待っているとそこには愛すべきマドカの国で使われる剣、カタナと呼ばれるものが二刀となって出てきた。


「これまた神秘的な…」

自身の大剣に似てそうで似ていない装飾の紅い刀、深海のような蒼い小刀。


そしてそれを四季が手に持つと四季に合うような大きさまで縮んだ。


上位加護が二つ…これはどうなんだろうか。

国が見れば絶対に戦力にしたい逸材。

だが四季は騎士になりたいのだろうか。

とりあえず自分一人で考えることでもないと思ったので家に帰って妻達と話すこととしよう。



「四季、良い加護を授かって良かったな!父さんは嬉しいよ」

「ありがとうお父さん!お家に帰ってお母さんの日の国料理を食べないと!」


あぁ、でも、この笑顔を戦いで血で汚したくはないなぁ…



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