不穏な姉妹
ルリハとの逢瀬を終えたあと、清秋は参道を歩いていた。
石畳を進む。
再び参道を歩き出す。一生、あいつと共にいたい。そう願ってしまっている。また、石室に行きたくなる。だが、そんなことをしていいのか。もう、普通の生活には戻れなくなりそうだ。
参道から外れて、社務所へ向かう。すると後ろから一台の車が通り過ぎていった。辰巳のベンツだった。
運転席には辰巳、助手席には凛々花。凛々花は上機嫌に微笑んでいた。
そして、後部座席にはもう一人、女が座っていた。色白の華奢な女。だが、目つきがビー玉のように不自然に輝く。女のことはよく知っていた。凛々花の妹、
嫌な予感がした。ベンツが通り過ぎた後、たちつくしてしまう。
まさか……。
いよいよ、この家から逃げられなくなるのかもしれない。再び歩こうとしても、足取りがやけに重く感じる。
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