祝福の儀2


 祝福の儀はゆっくりと、確実に進んでいった。

 喜んで出てくる人、がっかりしてる人、微妙な顔をしながら出てくる人。

 色んな人がいる。


 リュートもその中の1人だ。

 リュートは微妙な顔だった。

 孤児院の仲間は大体喜んでる、

 ガンダだけはかなりがっかりしていた。


「ガンダ元気出せよ。

 俺もよくわかんないスキルだったけどお互い同じパーティーメンバー

 何だから一緒に頑張ろうぜ?」


「お、おう。

 そうだよな。頑張ろう」


 ちなみに授かったスキルは

 ダックは『剣星』…剣の上達が常人の20倍

 メルトは『隠密』…敵から察知される確率がかなり低くなる

 ガンダは『錬金合成』…連勤と合成が出来る

 ミーナは『癒しの手』…魔力次第でどんな傷も治すことが出来る

 ヒナは『属性魔法』…5大属性の魔法を操ることが出来る

 最後が俺。『ガチャ』…ガチャを引ける。


 これが俺たちのスキルだ。

 スキル内容は概ね自分たちの欲しかったものだ。

 俺とガンダ以外は、


 ______________________


 スキルを獲得してから3年が経った。


 この3年間、孤児仲間の六人でパーティーを組んで冒険者になった。

 リュート以外の皆はスキルも良くて大活躍で一気にB級冒険者になることが出来た

 この街で3年間でB級まで上がれたパーティーはないらしい。


 もうそろA級にもなれるかもしれない勢いだ。

 この街の近くにはいくつものダンジョンがあって冒険者になるのに

 適した街だ。

 今日もダンジョンで探索している。


 今日のダンジョンは炎天のダンジョンだ。

 このダンジョンは180年くらい前に1度攻略された以来

 攻略されていないらしい。

 今の目標はこの炎天のダンジョンの攻略だ。

 このダンジョンは全部で82階層まであるらしい。

 今は47階層


「おいリュート!

 早くそっちのマンドックを倒せよ。

 そんな1匹にいつまでてこずってるんだ!!」


 マンドック…人間と同じくらいの大きさの犬だ。

 こいつは素早いし死にかけるときに甲高い声を上げて仲間を呼び寄せ、

 その甲高い鳴き声を聞いた人間を気絶させる能力がある厄介な奴だ。


 倒し方にも気を付けないと大惨事になる。


リュート以外の仲間は全員一撃で倒すことができる程度の魔物だ。

 リュートが一撃で倒せずにもたもたしてると

『隠密』を使ったメルトがマンドックの後ろから首を切り落とした。


「リュートしっかりしてくれよ?」


そう言いながらメルトはダックたちの方に戻って行った。

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