炎天のダンジョン

そんな感じでダンジョンを進んでいって

50階層に着いた。


50階層は一本道で両サイドには大きな穴が開いている


「少しここで休憩しようぜ

ここなら魔物が来てもすぐ気づけるだろう。」


「リュート、スキルはどうだ?」


「まだ何も出来ないな…

何が問題なのかな」


ダックが話しかけて来たのでそれに答えて会話をしていると

ダックが勢いよく立ち上がって皆に聞こえるように言った。


「なあ、みんな

俺たちはそろそろA級になれるだろ?

孤児院で貧乏な暮らしをしていた俺たちがそろそろ冒険者の頂点だ。

昔みたいに貧しい暮らしをすることはもうなくなったんだ。

でも!この中に一人だけ、このパーティーに貢献してない奴がいる。

これまでの3年間、スキルがなくても昔からの仲間だからって事で

パーティーに居させたがそれももう終わりにしよう。」


(確かに、俺はこのパーティーで約に立っていないし

しょうがないな…)


「みんなも反対はないみたいだな。

じゃあリュートこっちに来てくれ!」


リュートがダックの横に行ってみんなに挨拶とかを言おうとすると

いきなり服を引っ張られてそのまま、穴に落ちてしまった…


「俺たちはこれから最高のパーティーとして生きていく。

お前とはここでさようならだ。」


(そんな…まさか、昔からの大親友に落とされるとはな…

この穴はどこまで続いているんだろうか。)


それからどれくらいの時間が経ったのか

ようやく下に着いたみたいだ。


ドゴンッと音が聞こえて全身に激痛が走った。


そのままリュートは意識を手放した。


________________________


sideダック


俺は今まで一緒に冒険していたお荷物のリュートを

縦穴に落としてやった。

これであいつをパーティーから追放したっていう事実は誰にもバレない。

A級冒険者がメンバーを追放なんて外聞が悪いからな。


「これでようやく俺たちは完ぺきな冒険者だ。

みんなこれからも頑張ろう。」


勿論リュートを落とすのはみんなで相談して決めていたことだ。


「よし、このままダンジョンを進んでA級になっちゃいましょ!」


俺たちはダンジョンを進んでいき54階層にある安全地帯で

野営することにした。

野営の時はリュートの話で盛り上がった。


(それにしてもあいつの落ちるときの顔は傑作だったな。)


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