第36話

じっと顔見る そうで私は


妙なことに気がついた 男の顔というものが 妙にぶれているような気がするのだ


何だあれは 私はそう思ったが その男は私の目の前を通り過ぎいつもの


ように歩いて行ってしまっ たただどうもその顔というものが


やけに猫のように似ていたのは 全く目の錯覚であろう


それから何回も私は その男を追いかけようとしたが


いつの間にかその男は引っ越したのかそれ とも時間が変わったのか


全く目にすることはなくなってしまった


私はそれを皆既猫男と名付けているが


誰も信じない全くの 妄想に思われるばかりである


天井のシミを探していると 何かが落っこちてきた


夏休みに入ったというのに 風邪を引いてしまい なんとなく


ぼやけたようなゆがんだよう な天井の同じものをスライスしたような形


の中に 私はシミを探して


光る星ではなく 黒い点同士で


絵を書いてい たそんな折々何か


が天井から落ちてきたの だ虫かほこりだろう


かそれこそどこからか飛んできた そういう話が落ちただけなのかもしれない


そう思って辺りを見渡したが 畳にこれと言って


ファットは見当たらない


カナブンか何かだろう かこれで寝ている時に顔を上られたのでは


どうにも気持ち悪い 私はだるい頭をなんとかあげて


その落ちたものを探そうとし たすると


畳に何か落ちている 黒い点のようなもので


果たしてこんなシミはあっただろう かそう思って触ってみると


何かにちょっとする こうするとそれは


床につれ たまだ 乾いてい


ない私が 天井を見上げると 目の横に何かが落ち


た生臭い匂いが辺りに広がる は 私はすぐに台所に行って洗面器で顔を洗っ


たどうかしたんね そう言われて私は天井でとそんなこと言う


あんた寝てなきゃダメだ そう言われて


私はおばあちゃんの後をついていっ


た何かねあれは 見ると そこだけがやけに黒いものが広がっている


なんだろうかそんな時にうちの父親が帰っ てきた


どうせネズミでも死んだんだろう そんなこと言っている


その後 懐中電灯を持って父親がゴソゴソと何か上


に登っていっ しばらくするとおい 袋


そんな声が聞こえた すぐにおばあちゃんが袋を持って行っ


たしばらくして何かがいたのだろう それを袋に入れて


父親が降りてきたが 白い


透明のない そんな袋に黒いものが


こちらからも見える 血だ私はそう思った


そのまま父親は その足で 草履を吐くと


外へ出て行ってしまっ たあれなんだ


私はそういったが誰も答えてはくれなかっ たただ何か獣臭い匂いが


今に広がるばかりなのである 寝ようにも


その光景とそして 匂いが空気を入れ替えているというのにも


かかわらずあたりに漂っている

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