第34話

会社に行く途中様々な人間とすれ違う


それはまるで時計のようにいつも同じよう な人間が


同じように 歯車のように 同じ場所であったりする


その中で私はもう何年も 背の曲がった


猫背のサラリーマンによく道で 出会うそれは近くのマンションから来て


いるんだろう いつもその背を曲げて


四角い小さなカバンを手に持って歩いて いる


その人は非常に足が速く それこそずっと前を


せかせかと歩いている姿を見ることもあれ ば 私の前を


通り過ぎていくほど 林に歩いていることもある


日ふとさして興味もなかったが 私はどういう顔なのだろう


とそんなことが気になった 北口間は一切合わないらしく


ただ 朝の 通勤というものに


ばったりと 合うくらいなのである 私は


興味を出してその日 1時間ほど前からなんとなくゆっくりと


いつもの道を歩いていた 途中公園でブラブラしながら時間を潰して


いると あのスーツの姿が公園の前を横切っ


た今だそう思っていつもさして気にも止め なかったその顔を見よと目を見開いたが


どうにも 意外と遠くでありしかも足の速いことだ


私はその輪郭をしっかり見ることができ なかった

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