第33話
ゆっくりと 沈んでいく 夕日を見ていると
妙なものに気がついた というのは その
太陽の中に 黒いシミのようなものが見えたのだ カラスだろう
かそんなことを思っていた時だ どこかでカラスの鳴き声がする
ああやはりそうだ そう思って私は
そのままベランダから中に入った 夕食を終えてふと空を見ると満月が上がっ
ている 今日は明るいなそんなこと思ってふと
ベランダを出て そこから月を眺めてみることにした
しかし 何か妙なものが見える 最初は雲で隠れているのかと思ったが
それは月の中に ぽっかりと 黒いものが開いている
あれ それはどうも
夕暮れ時に見たあの黒い 何かとよく似ている気がし
たあれは何だろうか 私は じーっと見た
が月は動いているのに その黒いものは
ずっとそこに 固定されたかのようにとどまってい
たやがて月の端の方に行き それは暗闇と同化してしまっ
た私はしばらく見ていたが 結局
暗い夜しか見えない 翌朝私はふと
上を見ると 朝日の中に黒い点が見えるような気がした
が これは目の錯覚だろうか それ以来私はそのことを無視しているが
実は何かがあるのかもしれない
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