第24話
ジリジリと太陽に焼かれたブランコに座りながら
青い椅子の上
私は考える
最近この場所で殺人事件が起きた
しかし 周りに目撃者もおらず
残っているのはブランコにくくりつけられた
痛いだけだった
体内から流れ出した血液は
まるで水溜まりのように
ブランコの下に溜まり
それ以来ここで遊ぶ子供はおろか
大人でさえあまり見ることはない
しかし 問題はそこではなく
それ以来 ここで 不審者の目撃情報が度々拝見されるようになる
曰く付きであるが故に
それはごく自然のことかもしれない
何もなければ不審なものさえ気にならず
一度気になれば蟻の行列ですら気にし始める事になる
しかし その噂の代わっている箇所は
殺人犯ではなく
殺害された人間の影を 目撃者たちが目撃している点にあるのではなかろうか
それは 珍しい事に事件後
ブランコに乗っている昼間から座る男がおり
一体どんな人物だろうと
見ると
どうも事件の被害者の顔に酷似していると言う
それは新聞テレビ等で見ているので
ここの住人以上に
確実な記憶として残っていたと言う
それは子供からお年寄りまで
延十五人
どうも おかしい
まるで集団パニックのように 幻覚でも見たんじゃなかろうか
私は そう思いながら ブランコを漕ぐ
あのすいません
私は声をかけられ
顔を上げる
太陽光の逆光を背に
私は見知った顔を見ていた
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