第17話
夜の公園とは非常に良いものだ
幸にして この公園は 少々人里離れているが故に
カップルもおらず
さらには 車できたにしても
少々歩かなければならないことも拍車にかけていることであろう
わたしはここで何時もジョギングをするのが
日課になっている
誰にも見られず邪魔されず
そして広々とした場所を
眼科の街を時折見下ろしながら
一時間ほど走ると
大抵の嫌なことは忘れて
1日の日課として終わらすことができた
私はその時も
時計のアラームが鳴り
足を緩やかに止めると
帰宅しようと
公園の出口に向かう
そこから駐車場まで3分ほど下るのであるが
私は その日少々疲れており
どこかに座るところはないかと
考えた
ベンチもあるが
夜露に濡れ始めており
別に場所を探すと
ブランコが目に入った
そういえばこの公園にはブランコや他の遊具もあるんだと
この時 普段見ない 遊具を見ながら
私は そう思いながら そこへと向かう
土日にでも 遊んだのだろう
地面には 足跡が ついており
こどもの靴跡がまばらにグラウンドに残っているのが微かに見えた
私は
手をかざすと湿り気はなく
なんであれば ほんの僅かに昼間の日光の温度さえ感じられた
鎖の捕まるように
ブランコに乗ると
私は疲れを癒すように 落ち着かせると
安定してきた心音を揺らすように 何となく ブランコを 漕いだ
そう言えば 今日は 雨が降っていたな
私は その時になり
車のフロントガラスが会社で乗る時に
濡れていたのを思い出した
まさかま
ジャンプするように飛ぶと
僅かに水が足下で跳ねる
隣の席に私は
移動して 席に手をつける
びっしょりと 凹凸になっているブランコに
水滴が付いている
おかしいな
私は そう思いながら
いそいそと その場を去った
それ以来 どういうわけか 私は そこで走りに行かなくなっている
移動して 腰掛けた時 ぐっしょりとした冷たい感覚が すぐに皮膚に当たり立ち上がる
やはり濡れている
ついさっきまで そこに誰かがいたのだろうか
ただそこには 隣を向いても誰もおら静かに ブランコが揺れていた
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