1章 転生と吸血鬼を取り巻く情勢 第1話 赤ちゃんスタートみたいです
目を覚ますとそこは誰かの胎の中だった。
「赤ちゃんスタートってまさかの産まれる前かよーーーー」
もちろん話すことなんて出来ないから脳内対話である。
だが何もしないわけにもいくまい。
とにかくなんか行動は起こさないとって事で足を動かしてみる。
「ちょっとレオン聞いて聞いて今この子がお腹を蹴ったわ」
と優しくお腹をさすりながら目の前で雑務を行なっている銀髪で、黒いマントを羽織っていて、その口元には2本の牙があり、体型は痩せ型で、ずっしりとした筋肉のある男性に話しかける。
レオンと呼ばれた男性が目の前の髪の長いサラサラとしていそうな金髪で、耳が長くて、スラッとした体型にも関わらず女性らしい部分はしっかりと出ている聡明そうな女性に
「リリア、それは良かったね。僕にもその、君のお腹を触らせて貰っても構わないかい」
とリリアの隣に腰を掛ける。
どうやらこの2人が
「両親両方とも顔から何からスペック高すぎかよ」
突っ込まずには居られない。
もちろん赤ちゃんだから話せないのだが、しかも胎の中なのに外の様子見れてるしどうなってるんだろうと考えても仕方がないのでことの成り行きを見守る。
そういう時間もまた重要だということだろう。
そんなことを考えていたらリリアが話を始めた。
「えぇもちろん構わないわよ。ところで雑務ってことにしてこの子の名前を考えてたんでしょう?」
リリアがレオンを見つめながらそう問い掛けた。
「えっバレてたのかい、君に隠し事はできそうにないね」
ニヤける。
「何個かね名前の候補はできたんだ。でもね産まれた子の顔を見ながら名前を呼んであげたいと思ってるからまだナイショだよ」
そう言うと人差し指を口に当て、内緒だよとお茶目さを出した。
「私は貴方との子供ってだけでそれだけで幸せなのでどうかいっぱい悩んで良い名前を付けてあげてくださいませと言いたいのですが1つパッと出てきた名があるのです」
幸せそうな笑みを浮かべ。
「でも私もこの子が生まれた時に顔を見ながら名前を呼んであげたいのでナイショです」
こちらも負けじとお茶目さを出していた。
こんな素敵な夫婦の間に生まれるのかそれだけでもこの転生は
現実世界での
でも亡くなる1年前に現れた母の再婚相手のせいで後の人生は悲惨だったけどね。
だが凄いな胎の中にいるはずなのに鮮明に見えるんだもんな。
今度はレオンの話が始まるようだ。
「産まれるのが今から楽しみで仕方ないね、早く出てきておいで僕とリリアの可愛い坊や」
そう言って、リリアのお腹にそっと口づけをしてさすっていた。
そんなレオンを微笑ましく見つめながら
「私とレオンの可愛い坊や、もういつ産まれてきても良いのよ。私もレオンも心待ちに待っているのだから」
2人で手を重ねながら仲良くお腹をさすっていた。
でもこの後一体、どうしたら良いんだろうチュートリアル的なスキルが
「ちょっと貴方今笑いましたわね、それにこの私がちょっと抜けてて使えないなんて許しませんことよ」
胎の中にいてるのにはっきり見える目の前に羽の生えた妖精さんが、、、
「えーーーなんでいてるの。あっせっかくだからこの後どうしたらいいのか教えてよ。まだ産まれられないみたいだし」
神様かも知れない羽の生えた妖精さんに軽口を叩く。
「キィーーーー、いつまで経っても呼ばれないからせっかくこちらから出て来て差し上げましたのにその言い草なんなんざましょう」
妖精さんすごく怒ってるみたいだからここは素直に謝ろう。
「ごめんね赤ちゃんだから喋れないしどうやってスキルを発動したら良いのかすらわからなかったんだよ」
「確かに発動の仕方について説明してませんでしたわね。ごめんあそばせ」
十中八九悪いのは妖精さんだよね。
「発動の仕方は至って簡単ですわ。
言うだけ言って、消えてしまった。
将来のお嫁さんかぁ。
せっかく異世界なんだからやっぱりモフモフな獣人の可愛い女の子が良いなぁ。
白くてツヤツヤで犬みたいに、従順で尽くしてくれるんだけど2人きりの時は甘えまくりたい。
そんな可愛い獣人の女の子どこかにいて無いかなと願ってみた。
でも考えても現れるわけじゃ無いから虚しくなるだけだよね。
シクシクと泣きそうになる。
すると凄い睡魔に襲われて、
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