第13話
あ、血だー。あれ、私、どうしてこんな事になっていたっけ。これは、ベッドか。
ああ、そうだ。撃たれたんだ〜。
ダンテを裏切ったのね。私。でも、信じて、私はあなたのパートナー、、、
シャロンはベッドで横になっていた。
腹に激痛が走った。
タイツを脱ぎ、巻いて縛り圧迫させ、止血を試みる。
真っ白の何も無い部屋。
部屋を出ようとすると扉が開いた。外へ出られる。
遡る事、バイバツ組北の支部基地奪還の時。
ダンテに置いてかれたシャロンは銃を抱えて怯えていた。シャロンは外へ走り逃げ出した。
「おい、待て!バイバツ組だな!?」
その途中応援で来ていたリーベッド組に捕まり、車で連行された。
連れてこられたのは少し離れたリーベッドの基地。
銃を取り上げられ、服を脱がされたシャロンは部屋の奥へと連れてこられた。
「ほう、ドハイのお嬢さんかい。」
ヤンサムはシャロンを見るや否や正体に気づいた。ヤンサムの部下が銃を向けた。
「ふん、撃ってみればー?私に利用価値なんて見出せないあなた達だもの〜。」
「何!?」
「おい!そこのアロハな奴!私と取り引きしな〜い?私はね、殺すには惜しい女よ。」
部下はさらに銃を突きつけた。
するとヤンサムはその部下を撃ち殺した。
「言ってみな、お嬢さん。」
シャロンは怯えながらも、深呼吸した。
「私はあなたにバイバツ組の情報を提供するわ。随時ねー。」
「ふん、なるほどね。そして、そちら側の要件は?」
「ダンテを、殺さないで!」
シャロンは赤い目でヤンサムに訴えた。
ヤンサムは額に手を当て笑った。
「ふん、まあ、アリだな。乗った。ああ良いな、良いねぇ、お嬢さん。私は綺麗な女には弱い。それにお前の度胸、気に入った。取り引きは成立。」
ヤンサムはシャロンに近づき、彼女の首を絞めた。
「だがお嬢さん。聞いてくれよ、ああ。俺はな、ダンテ、彼だけはな、殺せないんだよ。」
「そう、敵であっても殺せない。」
ヤンサムは、取り押さえられ床に伏せたダンテの顔を蹴った。
「こんなにいち早く抗体が見つかったのは計算違いだったが、まさかダンテだったとはな。しかし、特効薬を作るにも、君には犠牲になってもらわなければならないんだ。母親が作った殺人ウイルスが、実の息子により世界から消滅する。良い、良いね。なかなか傑作だ。」
ダンテは細い目でギロリと睨んだ。
ヤンサムは額に手を当て大笑いした。
「聞いてくれよダンテ!いや、世界よ!世界の行き先全てが、私の手にあるようだ!私の選択で、人類が滅ぶのも生きるのも、全て、全て私が握っているのだ!生き残る者の選別だって容易い。そう!私がこの世界の審判となり、そして神とな、、、」
ヤンサムの額から、血が流れた。
ヤンサムは倒れ、ダンテの目先には、シャロンが立っていた。彼女は腹の痛みに耐えながら、銃を構えていた。
「ダン、テ!」
「シャロン!?」
ダンテはヤンサムの落とした銃を取る。武装集団はシャロンに銃を構えが、ダンテが一人を撃った。
武装集団はウイルスの銃にうろたえる一瞬を、ダンテが銃で打ち倒していく。
兄貴、俺が生かされた意味、やっと分かりましたよ。俺は、本当はずっとあなたと一緒にあの時死ねたらと思っていた。でも、今は違う。俺にはやるべき事がまだあったんだ。この世界に残された時、ずっと一人だと思っていたがそれは違う!俺にはそう、パートナーがいる!
残り一人、その時、ダンテの銃は弾数がゼロになった。しかし、シャロンが男を撃ち、研究所にはダンテとシャロン、二人が残った。
「シャロン、、、」
「ダンテ、あの、ゴメン。私は、あなたを守る為に、裏切ったの。信じて。だって、私は、あなたの、、、」
シャロンが倒れた。
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